『6・21結成5周年総会』を開催
=「国鉄闘争が日本の階級闘争に再浮上」を確認=
国鉄闘争全国運動・九州は6月21日に『結成5周年総会』を福岡市内で開催し、新たな闘いに向けた方針が提起されました。
東京・日比谷公会堂で開催された『6・7国鉄集会』を受けて、事務局から提起された【総括と提案】のなかで、「国鉄闘争全国運動をこの5年間闘い抜いて、『6・7国鉄集会』は、国鉄闘争がもう一度、日本の階級闘争に再浮上して戦後史の大転換をかけて労働者階級と資本家階級との大攻防戦の真っ只中で、国鉄闘争が主軸として登場した新たな段階に入った重大なものとしてあった」との発言は、本総会を象徴する内容となっています。(※『6・7国鉄集会』については、「国鉄全国運動・九州ニュース」21号を参照)
■総会は冒頭、DVDを上映し「韓国ゼネスト情勢」「6・7国鉄集会」の2本を確認。続いて自治体労働者の司会で進行され、共同代表・竹内良夫さんが開会の挨拶を行いました。
竹内さんは「我々が目標とする動労総連合の出発点として『6・7国鉄集会』があった。この集会の成功とともに10万名の署名が集まったとの報告は大きな成果です。同じ日、福岡で開催された反原発集会に1万5千人が集まり九州電力を包囲するデモが大成功した」と述べられ、JR長崎線での特急正面衝突事故に触れた後、「安倍はついに戦争国家を持ち出して平和を破壊、安保関連法の集団的自衛権の行使を容認する方向に動き始めました。この安倍内閣には、先頭に立って闘う動労総連合を中心とした国鉄解雇撤回の国鉄決戦が立ちはだかっている。国鉄民営化による1047名の解雇撤回運動から28年経っています。国鉄全国運動を最後まで貫徹する羽廣さん石崎さんと一体になって、我々労働者階級が天下を取るためには世界の労働者による国際連帯が必要です。韓国の民主労総のゼネストとも強い連帯を進めながら新しい正義の動労総連合とともに決意と緊張をもって国鉄決戦を闘い抜きながら、国鉄全国運動の闘いを進めることを誓って開会の挨拶としたい」と発言されました。
■『闘いの報告』
『闘いの報告』では、①合同労組レイバーユニオン福岡から産業廃棄企業との3次にわたる団交の勝利報告 ②学生戦線から「戦争法案6・15アピール」 ③長崎から「5・24国鉄集会」報告と「8・9ナガサキ」アピールが行われました。続いて共同代表・手嶋浩一さんが登壇。『国鉄闘争と虹ヶ丘闘争の報告』として発言されました。
〔手嶋さん発言主旨〕
【1】JRは沢山の問題が出ているが、28年前の国鉄分割民営化が基礎となって今の状態が積上げられている。国鉄が分割民営化されたときに派遣法が成立したが、労働者を雇い主の都合のいいように扱う法律。今日の社会情勢として昨年7月に集団的自衛権が容認され、「違憲だ」「合憲だ」といっているが、これだけ具体的になるとは思わなかった。何故、集団的自衛権かというと日本の大企業がさらに資本を膨らませるために政治を司っていくということ。そのために私たち労働者が戦争に行き集団的自衛権で企業を守る。それがあたかも国民や労働者を守るかのように騙している。
【2】国鉄の分割民営化について国労が妥協して和解をしたということで葬り去られているが、羽廣さんをはじめとする6名が「金銭じゃない」と和解に応じなかった。国鉄の分割民営化は結局、国民の財産である私たちの金が取られてしまった。「赤字」と言われているが、赤字は作られたもので国民のツケとし国民に払わせた。長崎の事故。国鉄の事故は無くなりません。JRは危険なのです。そこで私たちは「分割民営化をもう一回、見直すべきだ」と。何故いまのような状態になったか。国労が闘わなかったから、あのような惨めな状態に。羽廣さんらを除いた和解して金貰った人達は惨めですよ。胸張って歩けない。それだけ無残なことを国労はやった。
【3】最後に虹ヶ丘学園の偽装廃園について。虹ヶ丘学園がいまなお闘い続けています。虹ヶ丘学園の偽装廃園は私たちが言っているのではなくて、最高裁判所が「偽装廃園だ」と認めている。では、いまの闘いは何か。偽装廃園は経営する法人だけではできない。県の協力なくしては。県が廃園に向けた手続きから書類から準備しなくてはできません。それを県は「知らなかった」と言っています。最終責任は県なのです。偽装廃園を「知らなかった」ではなくて、偽装廃園を指導した。私たちはそれを裁判所へ訴えた。結局、行政である県が偽装廃園を指導した。しかし、そのことまでを私たちは追及しましたが、勝利できませんでした。しかし、この時点では偽装廃園は福岡県が仕組んでさせたものなのだ。この闘いを現在、行っています。このことを申し上げて終りとします。
■国鉄闘争全国運動・九州「総括と提案」(事務局)
休憩を挟んで国鉄闘争全国運動・九州事務局から「総括と提案」が提起されました。発言主旨は次の通り。
【1】6月7日に東京・日比谷公会堂で開催された「6・7国鉄集会」は、国鉄闘争の新段階を開く重要な集会でした。国鉄全国運動というのは2010年「4・9国鉄政治和解」によって、それまで四半世紀にわたって日本の労働運動と階級闘争を中心にリードしてきた国鉄闘争を担っていた人たちが皆「止めた」と。そこで唯一、動労千葉と羽廣さん達数人が「こんな和解案は認められない」と闘ってきた。この5年間、ある面でこの日本には階級闘争の基軸不在というか、労働者階級の闘いはどこにあるか見えない。虹ヶ丘闘争も孤軍奮闘していた。労働者の状態はとてつもない苦しい状態に追い込まれる。こういう情勢を見てきた。
【2】しかし、この5年間闘い抜き、この「6・7国鉄集会」でハッキリしたことは国鉄闘争がもう一度、日本の階級闘争に再浮上して、この「2010年代中期階級決戦」という戦後史の大転換をかけての労働者階級と資本家階級との大攻防戦の真っ只中で、国鉄闘争が日本の労働運動、日本の階級闘争をリードする最も大きな主軸として登場した新たな段階に入った重大なものとして「6・7国鉄集会」はあった。
【3】この間、苦しくて労働者の闘いは全然みえないという状態のなかで、国鉄闘争を柱にして日本の階級闘争をもう一回大高揚していく、そういう過程に入ったということ。「6・7国鉄集会」では国鉄解雇撤回署名が10万筆を超えたことが報告されました。そのようななかで「動労総連合を全国へ」と。この闘いが方針として進み始め、ここが日本の労働運動の震源地になっていく。こういう闘いだと思う。
重要なことは韓国の民主労総の闘いは国家権力との闘い。動労千葉や動労水戸だけではだめで動労総連合が重要だ。国鉄というJR産別に横断した巨大な核ができることが決定的。だが九州には階級的労働運動はどこにもない。無数の動労千葉に続く拠点労働運動を作っていく。そのことによってゼネスト情勢を我々が主体的に作っていくことが、厳しく突きつけられた、そういう画期的な集会だった。
【4】同時に九州的には、この日、「川内原発再稼働阻止」の全九州集会で1万5千人が集まった。我々がこの集会に参加し「6・7国鉄集会」と完全に結んで一体となったことが画期的であった。1万5千人の集会に我々が心棒をいれた。そういう闘いであった。
デモでは実際に「安倍政権打倒!」とコールした。あの集会では絶対許されないこと。再稼働させるのは安倍ですよ。ところが実行委員会は「再稼働反対」一点で結集し、「安倍打倒」なんて言わせない。九州全体の国鉄闘争勢力、階級的労働運動が団結して「6・7国鉄集会」と九州の闘いが一体としてやれたということは重要なことです。小さくても団結して闘えば世の中を変えられる。敵は団結を壊そう崩そうとする。それに負けないで団結をさらに強め闘っていくこと。それが闘い方。勿論、「絶対反対」という立場でなければならない。確信をもって6~8月を闘う。
【5】戦争法案。戦争をやろうというのにかかわらず憲法9条がある。これは矛盾。ここのなかで右往左往している。彼らはクーデターをやろうとしている。国に憲法があるのに、それを無視して、それを否定する戦争法案をやっている。だから大義がない。だから「皆さん、戦争をやるから命かけて下さい」なんていえない。「これは平和のための法案です」と。まったく可笑しな情勢になっている。言いたいことは、闘えば絶対に粉砕できるということです。
EUでギリシャ問題が起きている。米国の利上げか中国バブルの崩壊か、契機は分からないが必ずアベノミクスに直撃する。1千兆円もの巨大な借金を抱えながら膨大な金をつぎ込んで経済を支えている。株価と国債が暴落。日本発の大恐慌が目の前でチラついている。そのような情勢のなかで戦争法案を通そうとしている。戦争で乗り切るしかないから。原発の再稼働も延びている。実は労働者階級の闘いが国鉄闘争が挫かれないで土俵際で残って再浮上したことで、相手は突っ切れない。そういう情勢になっている。この5年間の戦争反対は、「国鉄負けました」と言っているような人達に世の中を変えることはできない。
【6】5月22日にJR長崎線で起きた特急列車の事故。あれは日本の片隅で起きた事故ではない。新自由主義による国鉄の分割民営化から始まったのです。その国鉄分割民営化が総破綻していることを示している。あの事故の5日後に国会で「JR九州の株上場」を決めた。しかし、あの事故のようにJRの実態はガタガタだということです。これはJRだけではなく中国でも韓国でも船が転覆するなど至る所で事故が起きている。それは日本の社会現象のなかの最先端でおきていること。そこが大きな切り口。
2010年「4・9」の国鉄政治和解。日本の労働者にとって主体的な意味では重要なこと。国労のように「闘っていますよ」というポーズを取っているような組合では通用しない。階級的な労働運動でなければダメ。労働者階級が主人公。そのような立場で労働運動をやれる。労働者の利益に立って闘う労働組合でなければ、これからは闘えない。これから起こってくる激動は、本当に世の中を引っくり返すのか戦争に行くのかを巡る攻防になる。その中心に国鉄闘争を全国運動が立って闘う。
――最後に、事務局から「今後、韓国のゼネスト情勢をはじめ国会の戦争法案をめぐる情勢、川内原発再稼働の動きなど様々な激しい闘争が行われる。その真っ只中で、動労総連合・九州を作ろう」と訴えました。
■『今後の闘いと決意』
続いて各戦線から『今後の闘いと決意』として、①福岡から「労働相談」に関する件。②ス労自主から「不当労働行為」労働委闘争の件。③NAZEN福岡から「川内原発再稼働阻止」の件などが発言されました。
■本総会『まとめ』羽廣憲(小倉地区闘争団)
【1】本総会が最後まで闘いとられた。「総括と提案」で言われたように「国鉄労働運動が中心」というのは誰もが認めている。我々はどんなに小さくとも勝負を仕掛けるしか勝つ方法はない。ここで潰されるのか、動労総連合を全国に拡大して労働者の連帯の輪をさらに広げていけるのか、というひとつの分岐点ということで「6・7国鉄集会」がもたれています。この夏の闘いに向かって新たな段階に突入した。権力の側はJRという会社をディーリングカンパニーと位置付けている。日本の資本主義の最先端、労務管理も含めて、この会社の在り方を全社会に適応する、といっている。
【2】ここで我々は勝負を仕掛けられなければ、労働運動として潰されてしまいます。曖昧さはない。相手は潰そうとしている。そこで団結の拡大以外に我々の生き延びる道はないし勝利する道もない。最近、明確になったのは戦闘的労働組合、戦闘的労働運動。これが戦後の労働運動の主流でした。しかし我々が作ろうとしているのは「階級的労働運動」ですね、この違い。
これはハッキリと自覚していただかなければならないのですが、「戦闘的」というのは戦術的。「階級的」というのは文字通り<階級>に根差した闘い方、組織の仕方、運営の仕方。だから「階級的労働運動」「階級的労働組合の建設」というのを私たちは動労総連合、合同労組を地域に根差した運動を作っていくということを、「車の両輪」と提起されていますけども、これを作り上げていかなければならない。
【3】何故ならば、私たちは「ゼネストでこの国を変えよう」という大きな目標があります。戦後の激動期にゼネスト情勢があった時、一体誰が裏切ったかというと歴史的にハッキリしているのが日本共産党。この共産党との闘いにもある。反スターリン主義ということになる。絶対に裏切る党。味方の顔をして裏切るが、これは最悪。これと論争できる、乗り越えられるものを我々のなかに日々蓄積していかなければならない。
結局、体制の側に付くのか、そうでない我々労働者の側に付くのか大きな分岐点。それは私たちにしかできないと思う。私たちはここから階級的労働運動を広げていくということを始めなくてはならない。闘いのなかにしか我々は生きる道はないし、<戦争>に対決できない。
=了=