受けて沖縄県教委は5月21日の定例会で竹富町の単独採択区を決定しました。
竹富町は今後教科書研究など、採択にかかわる負担が多大になりますが、教員、教員OB、学識経験者(+沖縄県教委)などの力を結集してより良い教科書の採択を進めていく事になりました。
3年近い、竹富町の闘いを支援くださった全国の皆様へ、多くのみなさまの署名や激励などのご支援ありがとうございました! 今後も共に連帯して教育現場の意見を尊重する教科書採択をめざし更なる闘いを進めていきましょう。
本日の地元紙の記事の抜粋、竹富町町民の会の声明と八重山15団体の声明、沖縄県教委の「教科書採択地区についての考え方」「竹富町教育委員会の単独採択地区への変更について」をぜひご覧ください。 神奈川では教科書無償法改正(悪)で、採択地区変更の請願が出ましたがその経緯を最後の部分で報告します。
◆5月30日付「八重山毎日」より 「教科書問題『良識の勝利』と声明 町民グループ、6月の講演会で総括」
八重山地区中学公民教科書問題で、竹富町教委を支援してきた、町民の会の仲村貞子代表世話人らは29日石垣で記者会見「教育権は国民(町民)にあと勇気を持って主張し続けた良識の勝利だ」とする声明を発表した。仲村代表世話人は「3年間の重しが取れ、すかっとした気持ち。この間、内外からたくさんの応援、寄付をいただき、ありがたく
思っている」と述べた。
同会は竹富町の単独採択地区の決定で区切りがついたとして、6月4日には西表島、5日には波照間島で高嶋琉大名誉教授の講演会を開催する。
◆町民の会声明
「未来をつくる子どもにとっての教科書採択が可能となった 竹富町教育委員会の決断を支持する声明」
3年余に及ぶ八重山地区の中学校3年生使用の公民教科窨採択問題は、去る21日の沖 耦県教育委員会(以下県教委)定例会で八重山の採択地区の見直しが決定されて収束を迎えることになりました。
竹富町の子どもに真理を教える教科窨採択を求めて、竹富町教育員会(以下竹教委)の教育行政の姿勢を一貫して支持してきた町民もひとまず安堵し、胸をなで下ろしました。
私たち町民の会は、子どもが主人公である学校教育の本質を忘れずに「未来を担う子どもにとって何が最も重要であるか」を行政判断のよりどころとしてきた竹教委のぶれない信念に、敬意を表します。
日本全国だけでなく、海外のメディアもが関心を示し続けた八重山教科書採択問題、すなわち竹富町の教科用図書中学校公民教科書採択は、教科書無償措置法の改正によって竹教委独自で採択ができることになりました。そして、ついには国の一連の圧力は、5月23日、下村文科相の違法確認訴訟断念の発表でひとまず区切りをつけることができました。
しかしながら、ここに至るまでの経緯に思いをはせると、時の政権政党のなりふり構わないすさまじい圧力は、尋常ではありませんでした。
全国の事例でも14市町村が、単独採択をとっているという現状があるにもかかわらず、なぜ文科雀は3年間でわずか100冊('12年22冊、'13年32冊、’14年46冊)の教科書採択をめぐって、この小さな町の教育委員会の教育行政判断に「是正要求」を発出し、何が何でも国権で従わせようとしたのでしょうか。まさにこれは、日本最南端の国境の島
での『教育事件』でありました。
その片棒を担ぎ、教科書調査委員の推簾しない教科書採択への道を開くために、規則改悪の策動を終始一貫演じた採択協議会の玉津会長(当時)の責任を不問に付すわけにはいきません。その貴任は、今もって重大です。石垣市議会で不信任という前代未聞の決議がなされたことも、まだ記憶に新しいとおもいます。
さらに許せないことには、21日の県教委決定前に、玉津石垣市教育長がのこのこと自民党本部に出向き、レクチャーを受けて「竹教委の八重山採択地区協議会からの離脱反対」を表明したことです。これまでも、その言動が物議をかもし続けてきたことから、教科書問題に一切コメントをしなくなったはずなのに、竹教委の決定に異を唱えたこと自体言語道断です。
一連の竹富町の公民教科書採択をめぐる『教科書事件』の3年余の混乱を引き起こした元凶を私たちは決して忘れてはなりません。戦火をくぐり抜けてきた沖縄の歴史体験からして、 今を生きる私たちには、育鵬社版教科書が沖縄の子どもにとって相応しくないことは明らかなことです。
この歴史的『教育事件』は、八重山教育界に汚点を残しましたが、後世必ずやこの国とこの島々の未来を担う次世代によって、竹教委とそれを支持し続けた町民、全国の仲間は、正当に、そして高く評価されることになるでしょう。
この教科書問題に関心を寄せて激励してくださリ、竹富町の公民教科書のみが有償となってからは、浄財を提供していただいたり、激励の言葉をくださった皆さまに心から感謝申し上げます。
多くの支援者のお陰をもって、ひとまず竹富町の教科書採択をめぐる教育の混乱が幕引きとなったことを内外に明らかにするとともに、これは、新たなステージのはじまりでもあることを付け加えます。
そして今なお、石垣市と与那国町では育鵬社版教科書が子どもにとって最適として使用されていることに私たちは疑問を抱きます。2年後の次期中学校教科書採択では、二度と同じ過ちを繰り返すことなく、今回の教訓が生かされることを念じてやみません。
八重山教科害採択問題は、まさに「終わりの始まリ」です。政権政党が面子を盾に国防意識を子どもに植え付けるために教科書採択に躍起になった根幹がここにあります。教科害採択問題が、いかにこの国の未来を占う重要なことだったかを多くの人々が再認識したことは間違いないことでしよう。
竹富町の教科書採択問題は、教育への政治介入を許さず、教育権は国民(町民)にあることに勇気をもって主張し続けた良識の勝利だと確信します。
以上をもって町民の会声明とします。
2014年5月29日
竹富町の子どもに真理を教える教科書採択を求める町民の会