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私が一番きれいだったとき  茨木のり子

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わたしが一番きれいだったとき   茨木のり子


わたしが一番きれいだったとき
街々はがらがらと崩れていって
とんでもないところから
青空なんかが見えたりした

わたしが一番きれいだったとき
まわりの人達が沢山死んだ
工場で 海で 名もない島で
わたしはおしゃれのきっかけを落としてしまった

わたしが一番きれいだったとき
誰もやさしい贈り物を捧げてはくれなかった
男たちは挙手の礼しか知らなくて
きれいな眼差だけを残し皆(みな)発っていった

わたしが一番きれいだったとき
わたしの頭はからっぽで
わたしの心はかたくなで
手足ばかりが栗色に光った

わたしが一番きれいだったとき
わたしの国は戦争で負けた
そんな馬鹿なことってあるものか
ブラウスの腕をまくり卑屈な町をのし歩いた

わたしが一番きれいだったとき
ラジオからはジャズが溢れた
禁煙を破ったときのようにくらくらしながら
わたしは異国の甘い音楽をむさぼった

わたしが一番きれいだったとき
わたしはとてもふしあわせ
わたしはとてもとんちんかん
わたしはめっぽうさびしかった

だから決めた できれば長生きすることに
年とってから凄く美しい絵を描いた
フランスのルオー爺さんのように ね


地方破壊と改憲の安倍倒せ!

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地方破壊と改憲の安倍倒せ!
JR常磐線特急の車掌削減と水郡線ワンマン拡大を阻もう
被曝労働拒否の動労水戸が反撃
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七月の西日本豪雨に続く9月の台風と北海道地震の被害は、新自由主義がもたらした人災だ。地方を破壊し人命を踏みにじる安倍政権は、改憲・戦争に突き進んでいる。JR資本もこれに呼応して労働組合解体の攻撃を強め、乗務員勤務制度改悪などの大合理化やローカル線切り捨てに踏み込んでいる。その重大な攻撃のひとつに常磐線特急の車掌の1人乗務化と水郡線のワンマン運転拡大がある。

鉄道の安全破壊する暴挙

 JR水戸支社の提案は、常磐線の特急は車掌が1人で乗務することを基本にし、わずか3本の特急だけを上野―土浦間に限り2人乗務にするというものだ。
 また、水郡線のワンマン運転を拡大する。常陸大子―郡山間で車掌が乗るのは、平日朝の下り2本と上り1本、夕方の上下1往復だけになる。
 これに伴い勝田運輸区で28人、いわき運輸区で2人、水郡線営業所で3人の車掌を減らし、土浦運輸区はプラス2人。合計31人の大幅な要員削減の攻撃だ。
 その10月20日強行実施を狙うJRに対し、動労水戸は総反撃に立っている。
 昨年7月、水戸支社は同年10月のダイヤ改定から特急車掌の1人乗務を実施すると突然打ち出した。これには東労組組合員を含む労働者が猛反発し、撤回に追い込まれた経緯がある。
 上野東京ラインが開通した2015年3月のダイヤ改定で、常磐線特急には「新着席サービス」と称するシステムが導入された。特急の全席を指定席にするが、座席上方のランプが空席であることを表示している場合は、指定を受けていない乗客も着席できるという、わかりにくいものだ。
 今回の提案でJRは、「新着席サービス」が定着し、会社が実施した検証で1人乗務は可能と判断したと言う。だが、その検証結果を明らかにすることはかたくなに拒んでいる。
 車掌の1人乗務は安全の解体に直結する。1人乗務では、異常時に迅速な対応はとれない。

常磐線の全線開通阻止を

 車掌が車内を巡回している時は、車掌室には誰もいなくなる。これで後方の列車防護や指令との通話はできるのか。車掌業務の最大の役割は乗客を安全に運ぶことにある。
 水郡線のワンマン運転拡大も安全を破壊する。水郡線で社員が配置されている駅はすでに常陸大子と上菅谷だけだ。異常時に応援に向かう体制もない。
 安倍政権とJRは東京オリンピック前の2020年3月までに常磐線を全線開通させようと全力を挙げている。福島第一原発の事故はまったく収束していない。その原発の直近に電車を走らせるというのだ。
 8月6日、JR東日本は常磐線双葉駅の再建工事に着手した。福島県双葉町は全町に避難指示が出されている。原発事故をなかったことにするため避難指示を次々と解除している国でさえ、年間放射線量が50㍉シーベルトを超える帰還困難区域と認めている場所だ。しかし安倍政権は、そこを「特定復興再生拠点区域」に指定することで、常磐線再開に向けた工事を強行している。労働者に強いられる被曝はとてつもない。
 それに加え、茨城県東海村にある日本原電・東海第二原発の運転延長が、今年11月までに決定されようとしている。これは40年の運転期間を過ぎて老朽化し、2011年3・11大震災で被災した原発だ。その原発が事故を起こした時の被害は計り知れない。
 車掌の1人乗務化やワンマン運転の拡大が強行されたら、原発事故の際、車掌1人で、あるいは運転士だけで乗客を誘導できるのか。JRと安倍は人命を何とも思っていないのだ。
 常磐線車掌の1人乗務化と水郡線のワンマン運転拡大に対し、動労水戸は総力で反撃に立つ構えだ。それは常磐線全線開通を絶対に許さない闘いであり、改憲を阻止する闘いでもある。

闘う労働組合とり戻そう

 動労水戸は常磐線全線開通阻止・被曝労働拒否を掲げて何度もストライキに立ってきた。今年8月にはドイツのゴアレーベンを訪問し、核廃棄物処分場建設反対同盟との連帯を深めた。
 昨年4月1日、常磐線が浪江まで延伸された時、勝田運輸区の運転士がストに入り、浪江駅では開通式典を直撃する弾劾行動を展開した。この時のストに際し、勝田運輸区の東労組組合員は全員がスト破りを拒否した。JR東日本が東労組の解体を決断した一つの要因に、この事態がある。
 JR資本は東労組を大崩壊させた上、運転士詰め所や車両の運転室にまで監視カメラを設置して、会社の無謀な施策に労働者が一切声を上げられない状態を強いようとたくらんでいる。
 勝田運輸区では8月9日、運転士見習いの教導中、「暴力行為」をしたとして教導運転士が諭旨解雇にされた。新人運転士を一人前にするために厳しくあたるのは、運転士の責任の重さを教えるためだ。解雇処分などありえない。職場には怒りが渦巻いているが、東労組は一切、声を上げられない。これは、9条改憲と並行して労働三権を解体する攻撃そのものだ。
 職場に闘う団結を取り戻そう。動労水戸とともに車掌の1人乗務化・ワンマン運転拡大に反対し、闘う労働組合を職場につくろう。

自治労倉敷が改憲阻止決議

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自治労倉敷が改憲阻止決議
全国で声明出し行動を

 8月自治労定期大会で「憲法改悪断固阻止」の大会宣言が決議されました。自治労倉敷でも「安倍政権による改憲案の国会提出に対して、組織の総力を挙げて絶対反対で闘う」決議が上げられました。その声明を紹介します。全国全産別の各単組、団体、個人で改憲絶対反対の声明を発し、行動しよう。

改憲・戦争阻止決議

 本年7月に発生した西日本豪雨災害では、220人以上の人命が失われた。
 倉敷市真備地区においては、50人以上の人命が失われ、市街地のすべてが水没し、労働者の最大の資産である4000棟の住宅が全壊し、多数の商店や事業所の経営基盤が奪われた。災害から2か月が経過したが、いまだに多くの被災者は避難所や借り上げ住宅で不自由な生活を余儀なくされている。
 今回の大災害は、労働者人民の命と生活をないがしろにして、軍事費に血税をつぎ込み、治水対策を放置してきた国の責任であり、歳出削減を目的に強行された市町村合併や非正規職化、民営化と地方切り捨て政策が被害を大きくした。
 このような状況は、社会が崩壊している日本のどこの地域においても起こりえることである。
 労働現場においては、自治体労働者の約半数を占める非正規労働者を1年ごとに更新し、更新のたびに1か月の試用期間と人事評価で当局への服従を迫る「会計年度職員」制度を導入し、ほとんどすべての職員を、非正規職化し団結と組合破壊を狙った攻撃が迫っている。
 いま世界では、過剰資本・過剰生産力の矛盾により、アメリカトランプ政権を最先端とした市場と資源を奪い合う争いが激化し、経済戦争から軍事的争いに転化しようとしている。
 安倍政権も、世界中にある日本の権益を確保するため、戦争をする国に転換し、核武装への衝動を強めている。
 安倍の改憲案は、憲法9条の2を設け、「自衛隊と自衛権」を明記し、さらに「緊急事態条項」を新設しようとしている。
 9条改憲により、自衛隊員には「国のために死ね」と命令され、学校では戦争教育が強制され、職場では戦争訓練や自衛隊への協力が強制される。また、政府や軍隊に対する批判は弾圧され、基本的人権や個人の自由が踏みにじられ、社会のすべてが軍事優先に一変させられる。
 安倍政権による改憲案の国会提出に対して、組織の総力を挙げて絶対反対で闘うこと。
 以上決議する。
2018年9月10日
全日本自治団体労働組合
倉敷市職員組合

この歴史を繰り返してはならない

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9・1関東大震災と朝鮮人虐殺
この歴史を繰り返してはならない
(写真 警察の指示で結成された自警団。竹やりで武装している)

(写真 9月1日に行われた「関東大震災95周年朝鮮人犠牲者追悼式典」には700人が集まった【東京都墨田区】)

虐殺犠牲者の追悼を拒否

 東京都知事・小池百合子は昨年に続き、9月1日に横網町公園(墨田区)で開催された関東大震災95周年朝鮮人犠牲者追悼式典への追悼文送付を拒否した。
 発端は、自民党都議・古賀俊昭による昨年3月の都議会一般質問だ。古賀は、朝鮮人犠牲者追悼碑に刻まれた「あやまった策動と流言蜚語(ひご)のため六千余名にのぼる朝鮮人が尊い生命を奪われました」という文言を「事実に反する一方的な主張」「(日本人への)ヘイトスピーチであり、到底容認できない」とし、追悼文送付の再考と追悼碑撤去を求めた。
 古賀は「朝鮮人虐殺はなかった」とまで主張する極右レイシストだ。当時、早くも地震発生の数時間後には、軍と官憲による「朝鮮人が井戸に毒を入れた」「朝鮮人が暴動を起こした」などというデマが各地に広められた。しかし、古賀はこのデマをデマではなく「事実」と言いはり、「こうした世相と治安状況の中で日本人自警団が過敏になり、無関係の朝鮮人まで巻き添えになって殺された」のだから「虐殺ではない」と朝鮮人虐殺を正当化している。
 小池は都知事の権力を使って、古賀の発言にお墨付きを与えたのだ。絶対に許すことができないヘイトクライムそのものだ。
 震災直後、当時陸軍被服廠(しょう)跡地だった横網町公園には、4万人もの避難民が詰めかけた。そこに1日夕刻から烈風にあおられた火災が隅田川を越えて到達、3万8千人がその猛火の中で焼死する大惨事となった。古賀らは、この火事をも「朝鮮人による放火」と主張するのだ。
 今、なぜ歴史を偽造するのか。改憲と戦争をもくろむ安倍政権を後ろ盾に、労働者階級に分断を持ち込もうとしているからだ。

3・1独立運動に恐怖し

 関東大震災後、6千人を超える朝鮮人、700人もの中国人が虐殺された。  虐殺は、東京だけでなく、神奈川、千葉、埼玉、群馬、茨城など関東一円に拡大した。さらに亀戸警察署を舞台に労働運動幹部らが殺害される亀戸事件も起こった。
 「1日の夕方、大井町では往来に日本刀や鳶口(とびぐち)、ノコギリなどを持った人々が早くも現れ、『朝鮮人を殺せ』と叫び始めた。......親しい日本人たちが血相を変えて飛び込んで来る。大変なことになっている、外に出たら殺されるぞ、私たちがなんとかするからじっとしていてくれ」。12人の同胞とともに飯場で暮らし、大井町のガス管敷設工事の現場で働いていたチョンソクピルは、その夜、「警察に行こう。そうしなければお前たちは殺される」と、警官と兵士、近所の日本人たちに守られて品川署に向かった。しかし「大通りに出ると、地域の自警団が喚声をあげて襲いかかってきた」という。(加藤直樹著『九月、東京の路上で』26㌻)
 2日には戒厳令が布告され、総員6万4千の陸軍兵力と軍艦150隻が東京一帯に配置された。横浜には横須賀の海軍部隊が到着したが、生存者を助け出そうともせず、「朝鮮人暴圧」のために巡回する。時の政府は何を恐れ、救える命を見捨てたのか。
 日本は1910年に韓国を併合、朝鮮総督府の「土地調査事業」で耕作地を奪われた朝鮮人が生きるために来日し、23年には在日朝鮮人は8万人を超えた。
 日露戦争から17年ロシア革命へ、その波はアジアに及ぶ。18年のシベリア出兵は日本軍7万3千人を投入したが5千人が戦死。日本国内では米騒動が巻き起こった。
 19年3・1独立宣言から抗日闘争が朝鮮全土に広がった。鎮圧指揮に向かった朝鮮総督・斎藤実と政務総監・水野錬太郎は、ソウルに立った途端、姜宇奎(カンウギュ)烈士の投げる爆弾に見舞われた。
 その水野が内務大臣として大震災後の「不逞(ふてい)鮮人掃討」を指揮した。出動した軍は、朝鮮やシベリア出兵では村を焼き払うような対ゲリラ戦闘を経験していた。そして、自警団として組織された労働者民衆の多くが、朝鮮人への民族的蔑視と共に、戦場に駆り出された恐怖体験を共有していた。近代日本は常に戦時下にあった。

分断を許さず戦争阻もう

 9月3日、南葛飾郡大島町(現・江東区)の工場などで働く中国人労働者300人以上が、亀戸・大島・砂町など各地で虐殺された。軍や警察などが中国人宿舎を訪ね「金を持っているやつは国に帰してやる」と連れ出し、近くの空き地で待ち構えた自警団が鳶口、竹やりなどで中国人を虐殺するという計画的犯行だった。不景気になり、賃金未払いが続出する中での中国人虐殺だった。
 中国人留学生・王希天は、この地域の中国人労働者のために震災前年9月に「僑(きょう)日共済会」を設立、診療所や夜間学校を開いて賃金不払いに抗議し、ブローカーとの交渉にも乗り出していた。
 震災後、中国人労働者の被災状況を確認しに大島町に向かった王希天は、そのまま消息を絶つ。彼が軍隊に殺され、中川に捨てられたことが判明したのは70年代になってからだ。
 9月1日、横網町公園では、震災後に中国から届けられた幽冥鐘が今年も中国人の手で打ち鳴らされた。
 小池は、大震災に乗じて行われた朝鮮人・中国人虐殺の歴史を抹殺し、安倍と共に新たな侵略戦争へと踏み出そうとしている。そのために労働者人民を分断し対立させたいのだ。
 逆に、民族・国籍・国境を越えた労働者の国際連帯、共同闘争こそが戦争を阻む道だ。改憲・戦争阻止!大行進運動で安倍・小池を打倒しよう。

杉田水脈の差別扇動弾劾

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杉田水脈の差別扇動弾劾
「生産性ない」は極悪の優生思想


 自民党衆議院議員の杉田水脈(みお)は、月刊誌「新潮45」8月号掲載の「日本を不幸にする朝日新聞」という特集に寄稿した「LGBT(性的少数者)支援の度が過ぎる」と題した文章で次のように書いた。
 「子育て支援や子供ができないカップルへの不妊治療に税金を使うというのであれば、少子化対策のためにお金を使うという大義名分があります。しかし、LGBTのカップルのために税金を使うことに賛同が得られるものでしょうか。彼ら彼女らは子供を作らない、つまり『生産性』がないのです」
 絶対に許すことができない暴言だ。直ちに数千人規模のデモが起きるなど、激しい抗議の声が殺到した。LGBT当事者に限らず、多くの人がこの発言に深く傷つき、恐怖を感じ、怒りを表した。
 この発言はLGBTへの無知無理解の上に、おぞましい差別を助長し扇動している。それだけでなく、「生産性」という資本主義の価値基準を意識的に人間に適用し、人間を侮辱し否定し切り捨てている。国のために子どもをつくることが「生産的」であり、そうでないものは「生産性がない」、価値が低い人間だ、そこに税金を使うなというのだ。権力の側から人の命に優劣をつけて、「劣った者は社会から抹消しろ」とする優生思想そのものだ。
 ナチスは「6万マルク。障害者を一生養護するためのドイツ民族共同体の負担額だ。国民よ、これは皆さんの税金だ!」とポスターで呼びかけ、障害者・病者を虐殺した。
 2016年の津久井やまゆり園事件で入所者19人を殺害した男は、ヒトラーに心酔し「障害者がいなくなれば国家の経済的な負担が軽くなる」と周囲に漏らしていた。杉田の暴言は対象をLGBTに置き換えただけで、これらとうり二つだ。
 日本をはじめ世界の国々で、「優生学」などのエセ科学を根拠に「財政負担軽減」を呼号し、国家が法律で人間の優劣を定め不妊手術を強制した歴史がある。
 優生思想は資本主義における人間疎外の極致の価値観だ。それが政権政党の国会議員の口からあからさまに飛び出したのだ。
 杉田の言動はすべて安倍政権の考え方そのものだ。

安倍の本音を語る

 杉田は16年に国連の「女性の地位向上委員会」の関連イベントで「慰安婦は性奴隷ではない」と題する講演を行い、大ブーイングに包囲されたことを「武勇伝」として得々と語っている。さらにこれまでさまざまな右翼反動的暴言を吐き散らしてきた。
 「女性差別は存在しない」
 「(レイプ被害者には)女としての落ち度がある」
 「世の中に『待機児童』なんて一人もいない。待機してるのは預けたい親だけ」
 「旧ソ連崩壊後、コミンテルンは息を吹き返しつつある。その活動の温床であり、一番のターゲットが日本」
 杉田は桜井よしこに目をかけられ、その推薦で安倍首相のお気に入りとなり、自民党比例中国ブロックで当選。自分が右翼的発言を強めるほど自民党一強支配の政界でウケがいいことに味をしめ、言動をエスカレートさせてきた。卑劣にも安倍は自分が直接語れない本音を杉田にしゃべらせ、利用し尽くしてきたのだ。

改憲と一体の攻撃

 自民党は8月1日付で杉田発言について、「問題への理解不足と関係者への配慮を欠いた表現があった。本人には注意するよう指導した」とするコメントを発表した。そして2年前に発行された自民党のLGBTに関する「政策パンフ」をウェブサイトに掲載した。
 だがその内容はというと、「議員・党員が問題発言をしないための手引き」として書かれたもので、自民党が人びとの性的指向や性自認の多様性、個別性などを認める気がまったくないことを証明している。
 杉田発言に限らず、帝国主義社会の体制的危機が深まる中で、優生思想、人種主義、民族排外主義、反共主義、社会的弱者への攻撃がはびこっている。これこそが安倍の改憲を支持・待望する連中の忌(い)むべき正体だ。共産主義の思想と実践が、これらの右翼反動を根底からことごとく粉砕する使命を担っている。(田宮龍一)

[転載]杉田水脈の差別扇動弾劾

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杉田水脈の差別扇動弾劾
「生産性ない」は極悪の優生思想


 自民党衆議院議員の杉田水脈(みお)は、月刊誌「新潮45」8月号掲載の「日本を不幸にする朝日新聞」という特集に寄稿した「LGBT(性的少数者)支援の度が過ぎる」と題した文章で次のように書いた。
 「子育て支援や子供ができないカップルへの不妊治療に税金を使うというのであれば、少子化対策のためにお金を使うという大義名分があります。しかし、LGBTのカップルのために税金を使うことに賛同が得られるものでしょうか。彼ら彼女らは子供を作らない、つまり『生産性』がないのです」
 絶対に許すことができない暴言だ。直ちに数千人規模のデモが起きるなど、激しい抗議の声が殺到した。LGBT当事者に限らず、多くの人がこの発言に深く傷つき、恐怖を感じ、怒りを表した。
 この発言はLGBTへの無知無理解の上に、おぞましい差別を助長し扇動している。それだけでなく、「生産性」という資本主義の価値基準を意識的に人間に適用し、人間を侮辱し否定し切り捨てている。国のために子どもをつくることが「生産的」であり、そうでないものは「生産性がない」、価値が低い人間だ、そこに税金を使うなというのだ。権力の側から人の命に優劣をつけて、「劣った者は社会から抹消しろ」とする優生思想そのものだ。
 ナチスは「6万マルク。障害者を一生養護するためのドイツ民族共同体の負担額だ。国民よ、これは皆さんの税金だ!」とポスターで呼びかけ、障害者・病者を虐殺した。
 2016年の津久井やまゆり園事件で入所者19人を殺害した男は、ヒトラーに心酔し「障害者がいなくなれば国家の経済的な負担が軽くなる」と周囲に漏らしていた。杉田の暴言は対象をLGBTに置き換えただけで、これらとうり二つだ。
 日本をはじめ世界の国々で、「優生学」などのエセ科学を根拠に「財政負担軽減」を呼号し、国家が法律で人間の優劣を定め不妊手術を強制した歴史がある。
 優生思想は資本主義における人間疎外の極致の価値観だ。それが政権政党の国会議員の口からあからさまに飛び出したのだ。
 杉田の言動はすべて安倍政権の考え方そのものだ。

安倍の本音を語る

 杉田は16年に国連の「女性の地位向上委員会」の関連イベントで「慰安婦は性奴隷ではない」と題する講演を行い、大ブーイングに包囲されたことを「武勇伝」として得々と語っている。さらにこれまでさまざまな右翼反動的暴言を吐き散らしてきた。
 「女性差別は存在しない」
 「(レイプ被害者には)女としての落ち度がある」
 「世の中に『待機児童』なんて一人もいない。待機してるのは預けたい親だけ」
 「旧ソ連崩壊後、コミンテルンは息を吹き返しつつある。その活動の温床であり、一番のターゲットが日本」
 杉田は桜井よしこに目をかけられ、その推薦で安倍首相のお気に入りとなり、自民党比例中国ブロックで当選。自分が右翼的発言を強めるほど自民党一強支配の政界でウケがいいことに味をしめ、言動をエスカレートさせてきた。卑劣にも安倍は自分が直接語れない本音を杉田にしゃべらせ、利用し尽くしてきたのだ。

改憲と一体の攻撃

 自民党は8月1日付で杉田発言について、「問題への理解不足と関係者への配慮を欠いた表現があった。本人には注意するよう指導した」とするコメントを発表した。そして2年前に発行された自民党のLGBTに関する「政策パンフ」をウェブサイトに掲載した。
 だがその内容はというと、「議員・党員が問題発言をしないための手引き」として書かれたもので、自民党が人びとの性的指向や性自認の多様性、個別性などを認める気がまったくないことを証明している。
 杉田発言に限らず、帝国主義社会の体制的危機が深まる中で、優生思想、人種主義、民族排外主義、反共主義、社会的弱者への攻撃がはびこっている。これこそが安倍の改憲を支持・待望する連中の忌(い)むべき正体だ。共産主義の思想と実践が、これらの右翼反動を根底からことごとく粉砕する使命を担っている。(田宮龍一)

転載元: たたかうユニオンへ!

豊洲に行ってはならない

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豊洲に行ってはならない
築地・仲卸らが怒りの会見

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(写真 豊洲の違法建築物に対する都知事の使用禁止、除却命令を義務付ける裁判を起こした原告の仲卸と代理人の武内更一弁護士【左から2人め】が記者会見。多くの記者が注目した【9月5日 東京都庁】)

 10月11日に狙われる豊洲市場開業、築地市場解体着工が切迫する中で、9月5日、「築地を活かし豊洲を止める会」が都庁で会見を開いた。
 豊洲市場の水産仲卸売場棟が建築基準法令に違反しており必要な耐震性を満たしていないとして、建築物の使用禁止・除却を求め、築地仲卸の5人が都を被告として起こした義務付け訴訟と仮の義務付け申し立てについて、代理人の武内更一弁護士が説明を行った。武内弁護士は1階柱脚の鉄量の不足と、構造耐力の計算式において日建設計が係数を偽装していることを指摘した。さらに都は仮の申し立てに対する意見書(答弁書)で、日建設計が作った完全に誤りの資料を平気で提出していることを暴露した。弁護団がこの答弁書を完膚なきまでに批判した意見書を提出した結果、裁判所は都に9月11日までに再度の答弁書を出すよう要求したのである。都は完全に追いつめられている。
 代表の宮原洋志さんは「国土交通省も都も、話し合いをしようとしない。決して許してはならない。豊洲に行ってはならない」と述べた。原告の仲卸から「地震が来たらどうなるのか。同じことは7街区(水産卸売場)で働く方にも言える」「移転を白紙に戻してもらいたい」など怒りの発言が相次いだ。
 これに先立ち、築地市場営業権組合が都庁で会見を開いた。同日午前、営業権組合は小池百合子東京都知事宛てに、農林水産大臣への認可申請を取り下げ、豊洲市場の開場を再度延期することを求める要請書を提出、移転による営業権侵害が違法であるという通知書には107事業者が署名し都に提出した。営業権に関して都は「経済的損失はすべて受忍限度内」と主張していることが報告された。
 会見では豊洲への怒りと築地を守る思いが次々語られた。共同代表の村木智義さんは「このまま強行すれば都民の食生活に影響が出る。150億円の赤字が出ることがわかっていて開業することが許されるのか」と語気を強めた。共同代表で築地・女将さん会の山口タイさんは「座り込んでも築地を守らなければならないという気持ちです」と語り、共同代表の宮原さんは「83年間培ってきた築地の『のれん』は豊洲ではつくれない。私たちが築地を守ります」と断言した。
 9月13日の豊洲開場記念式典粉砕に立ち、21日午前11時から東京地裁で開かれる違法建築物除却命令等義務付け訴訟の第1回口頭弁論に全力で集まろう。

[転載]豊洲に行ってはならない

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豊洲に行ってはならない
築地・仲卸らが怒りの会見

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(写真 豊洲の違法建築物に対する都知事の使用禁止、除却命令を義務付ける裁判を起こした原告の仲卸と代理人の武内更一弁護士【左から2人め】が記者会見。多くの記者が注目した【9月5日 東京都庁】)

 10月11日に狙われる豊洲市場開業、築地市場解体着工が切迫する中で、9月5日、「築地を活かし豊洲を止める会」が都庁で会見を開いた。
 豊洲市場の水産仲卸売場棟が建築基準法令に違反しており必要な耐震性を満たしていないとして、建築物の使用禁止・除却を求め、築地仲卸の5人が都を被告として起こした義務付け訴訟と仮の義務付け申し立てについて、代理人の武内更一弁護士が説明を行った。武内弁護士は1階柱脚の鉄量の不足と、構造耐力の計算式において日建設計が係数を偽装していることを指摘した。さらに都は仮の申し立てに対する意見書(答弁書)で、日建設計が作った完全に誤りの資料を平気で提出していることを暴露した。弁護団がこの答弁書を完膚なきまでに批判した意見書を提出した結果、裁判所は都に9月11日までに再度の答弁書を出すよう要求したのである。都は完全に追いつめられている。
 代表の宮原洋志さんは「国土交通省も都も、話し合いをしようとしない。決して許してはならない。豊洲に行ってはならない」と述べた。原告の仲卸から「地震が来たらどうなるのか。同じことは7街区(水産卸売場)で働く方にも言える」「移転を白紙に戻してもらいたい」など怒りの発言が相次いだ。
 これに先立ち、築地市場営業権組合が都庁で会見を開いた。同日午前、営業権組合は小池百合子東京都知事宛てに、農林水産大臣への認可申請を取り下げ、豊洲市場の開場を再度延期することを求める要請書を提出、移転による営業権侵害が違法であるという通知書には107事業者が署名し都に提出した。営業権に関して都は「経済的損失はすべて受忍限度内」と主張していることが報告された。
 会見では豊洲への怒りと築地を守る思いが次々語られた。共同代表の村木智義さんは「このまま強行すれば都民の食生活に影響が出る。150億円の赤字が出ることがわかっていて開業することが許されるのか」と語気を強めた。共同代表で築地・女将さん会の山口タイさんは「座り込んでも築地を守らなければならないという気持ちです」と語り、共同代表の宮原さんは「83年間培ってきた築地の『のれん』は豊洲ではつくれない。私たちが築地を守ります」と断言した。
 9月13日の豊洲開場記念式典粉砕に立ち、21日午前11時から東京地裁で開かれる違法建築物除却命令等義務付け訴訟の第1回口頭弁論に全力で集まろう。

転載元: たたかうユニオンへ!


東海第二 再稼働させない

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東海第二 再稼働させない
   
水戸 怒りの1千人集会
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(写真 「東海第二を絶対に再稼働させない!」と、動労水戸とNAZENなどの隊列は力強くデモ行進【9月1日 茨城県水戸市】)


 9月1日、茨城県水戸市で「東海第二原発再稼働STOP‼茨城県大集会」が実行委員会の主催で開催され、1千人が結集した(写真下)。会場を埋め尽くした労働者市民の真剣で深い怒りが爆発し、11月運転期間延長・再稼働阻止に向け重要な闘いとなった。
 地元の動労水戸、いわき合同ユニオン、東京から駆けつけたNAZENの仲間も意気高く闘いぬいた。
 集会で主催者代表は、「事前承認の地元を5市町に拡大した茨城方式は大きなハードルになる。これを力に、目に見える形にしよう」と訴えた。
 福島からの訴えとして桜井勝延前南相馬市長が、「南相馬は棄民にあっている。1万人が町から転出した。いまだに111名が行方不明。汚染水の処理も出来ない中で東海第二原発の再稼働をさせてはなりません。再稼働させたら必ず事故が起きる」と根底からの怒りを表明した。
 小学生のときに『原子力明るい未来のエネルギー』の標語を作り表彰された双葉町からの避難者は、「原発事故で故郷と生活をメチャクチャにされた。安全や復興は無責任な詐欺用語。原子力に明るい未来はありません」と声を大に訴えた。
 集会後のデモは商店や沿道の多くの市民の注目を受け、全体が一体となった。

動労水戸などが組合旗掲げデモ

 動労水戸は8月末まで、ドイツで最終処分場への使用済み核燃料搬入を止め続けているゴアレーベンの反対同盟と交流してきた。そこで被曝労働拒否・常磐線全線開通反対、東海第二原発再稼働阻止の闘いを報告し、大きな賛同を得た。デモでは、反対同盟のケアスティン前委員長から託されてきたゴアレーベンの旗と動労水戸の旗が翻り、労働組合の決起と国際連帯という勝利の方向を示した。
 解散地点で三里塚反対同盟・太郎良陽一決戦本部長と合流し、全員で記念撮影。石井真一動労水戸委員長とNAZENの織田陽介事務局長の発言で行動を締めくくった。(茨城県労組交流センター・田中成貴)

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いのちをつなぎ くらしを守れ フクシマと共に
さようなら原発全国集会
 9月17日(月、休日)午後0時30分
 午前11時 出店ブース開店
 代々木公園B地区
 主催/「さようなら原発」一千万署名 市民の会

[転載]東海第二 再稼働させない

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東海第二 再稼働させない
   
水戸 怒りの1千人集会
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(写真 「東海第二を絶対に再稼働させない!」と、動労水戸とNAZENなどの隊列は力強くデモ行進【9月1日 茨城県水戸市】)


 9月1日、茨城県水戸市で「東海第二原発再稼働STOP‼茨城県大集会」が実行委員会の主催で開催され、1千人が結集した(写真下)。会場を埋め尽くした労働者市民の真剣で深い怒りが爆発し、11月運転期間延長・再稼働阻止に向け重要な闘いとなった。
 地元の動労水戸、いわき合同ユニオン、東京から駆けつけたNAZENの仲間も意気高く闘いぬいた。
 集会で主催者代表は、「事前承認の地元を5市町に拡大した茨城方式は大きなハードルになる。これを力に、目に見える形にしよう」と訴えた。
 福島からの訴えとして桜井勝延前南相馬市長が、「南相馬は棄民にあっている。1万人が町から転出した。いまだに111名が行方不明。汚染水の処理も出来ない中で東海第二原発の再稼働をさせてはなりません。再稼働させたら必ず事故が起きる」と根底からの怒りを表明した。
 小学生のときに『原子力明るい未来のエネルギー』の標語を作り表彰された双葉町からの避難者は、「原発事故で故郷と生活をメチャクチャにされた。安全や復興は無責任な詐欺用語。原子力に明るい未来はありません」と声を大に訴えた。
 集会後のデモは商店や沿道の多くの市民の注目を受け、全体が一体となった。

動労水戸などが組合旗掲げデモ

 動労水戸は8月末まで、ドイツで最終処分場への使用済み核燃料搬入を止め続けているゴアレーベンの反対同盟と交流してきた。そこで被曝労働拒否・常磐線全線開通反対、東海第二原発再稼働阻止の闘いを報告し、大きな賛同を得た。デモでは、反対同盟のケアスティン前委員長から託されてきたゴアレーベンの旗と動労水戸の旗が翻り、労働組合の決起と国際連帯という勝利の方向を示した。
 解散地点で三里塚反対同盟・太郎良陽一決戦本部長と合流し、全員で記念撮影。石井真一動労水戸委員長とNAZENの織田陽介事務局長の発言で行動を締めくくった。(茨城県労組交流センター・田中成貴)

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いのちをつなぎ くらしを守れ フクシマと共に
さようなら原発全国集会
 9月17日(月、休日)午後0時30分
 午前11時 出店ブース開店
 代々木公園B地区
 主催/「さようなら原発」一千万署名 市民の会

転載元: たたかうユニオンへ!

[転載]東海第二 再稼働させない

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東海第二 再稼働させない
   
水戸 怒りの1千人集会
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(写真 「東海第二を絶対に再稼働させない!」と、動労水戸とNAZENなどの隊列は力強くデモ行進【9月1日 茨城県水戸市】)


 9月1日、茨城県水戸市で「東海第二原発再稼働STOP‼茨城県大集会」が実行委員会の主催で開催され、1千人が結集した(写真下)。会場を埋め尽くした労働者市民の真剣で深い怒りが爆発し、11月運転期間延長・再稼働阻止に向け重要な闘いとなった。
 地元の動労水戸、いわき合同ユニオン、東京から駆けつけたNAZENの仲間も意気高く闘いぬいた。
 集会で主催者代表は、「事前承認の地元を5市町に拡大した茨城方式は大きなハードルになる。これを力に、目に見える形にしよう」と訴えた。
 福島からの訴えとして桜井勝延前南相馬市長が、「南相馬は棄民にあっている。1万人が町から転出した。いまだに111名が行方不明。汚染水の処理も出来ない中で東海第二原発の再稼働をさせてはなりません。再稼働させたら必ず事故が起きる」と根底からの怒りを表明した。
 小学生のときに『原子力明るい未来のエネルギー』の標語を作り表彰された双葉町からの避難者は、「原発事故で故郷と生活をメチャクチャにされた。安全や復興は無責任な詐欺用語。原子力に明るい未来はありません」と声を大に訴えた。
 集会後のデモは商店や沿道の多くの市民の注目を受け、全体が一体となった。

動労水戸などが組合旗掲げデモ

 動労水戸は8月末まで、ドイツで最終処分場への使用済み核燃料搬入を止め続けているゴアレーベンの反対同盟と交流してきた。そこで被曝労働拒否・常磐線全線開通反対、東海第二原発再稼働阻止の闘いを報告し、大きな賛同を得た。デモでは、反対同盟のケアスティン前委員長から託されてきたゴアレーベンの旗と動労水戸の旗が翻り、労働組合の決起と国際連帯という勝利の方向を示した。
 解散地点で三里塚反対同盟・太郎良陽一決戦本部長と合流し、全員で記念撮影。石井真一動労水戸委員長とNAZENの織田陽介事務局長の発言で行動を締めくくった。(茨城県労組交流センター・田中成貴)

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いのちをつなぎ くらしを守れ フクシマと共に
さようなら原発全国集会
 9月17日(月、休日)午後0時30分
 午前11時 出店ブース開店
 代々木公園B地区
 主催/「さようなら原発」一千万署名 市民の会

転載元: たたかうユニオンへ!

水平同盟杉並支部が大会

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水平同盟杉並支部が大会
                       東京西部ユニオン          茅原まり

 8月31日、全国水平同盟杉並支部の第6回大会に仲間と共に参加しました。7月15日の全国水平同盟第7回大会を受けての大会は、「戦争と改憲に絶対反対し、『改憲・戦争阻止!大行進』の先頭に立って闘う」という熱気あふれるものでした。
 私は2013年の杉並支部結成以来、毎回参加し、新しい部落解放運動をつくり出そうとする「熱意と苦闘」を間近で感じ学んできましたが、いよいよ本格的に解放運動が全国に巻き起こり、労働者の団結を根底的なところでつくり出し、すべてを奪い返す時代が来たと確信できました。
 杉並支部の1年間の取り組みで特筆すべきは、①狭山闘争の前進、②労組拠点形成の着実な取り組み、③狭山闘争を星野奪還の闘いと一体で推進し「星野さんを取り戻そう!杉並高井戸の会」の結成にいたる努力と広がりです。大会ではこの路線をさらに進めることが確認されました。
 全国水平同盟事務局長の平沼和典さんの講演「改憲阻止と部落解放運動」は、「西郡のように闘おう」(第7回大会議案)をベースに語られました。全国の部落で進められている民営化・更地化攻撃は改憲攻撃そのもの。「更地化」とは地域破壊であり解雇と非正規化、生活破壊そのものであること、したがって闘いは、権力者の腐敗に真っ向から立ち向かい、絶対反対を貫くことなのです。
 全国水平同盟が時代認識をはっきりさせ、闘いの中でつかんだ勝利の地平を共有し、杉並支部とともに東京・関東で水平同盟の旗を林立させましょう。必ずできると確信しました。
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台風21号で関西空港が水没

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台風21号で関西空港が水没
新自由主義の崩壊が安倍を直撃

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(写真 滑走路まで浸水し使用不能になった関西空港【9月4日】)

 9月4日、開港からちょうど24年目、台風21号で関西空港が完全に水没し使用不能に陥りました。国鉄分割・民営化と一体で4千㍍滑走路を持つ日本初の24時間海上空港、民間活力導入第1号、軍事空港として進めてきた巨大プロジェクトが根底から崩壊を始め、安倍政権を直撃しています。
 大恐慌と戦争の開始、アジア市場をめぐる激しい争闘戦の激化の中で、関空は関西財界のみならず日本帝国主義にとって、なくてはならない大動脈、国際物流・観光の拠点でした。軍事空港=有事の兵站(へいたん)の拠点としても、成田空港と並ぶ位置です。
 安倍はこの事態に驚愕(きょうがく)し、6日には運航再開を発表しました。しかし埋め立て時から1期島で平均13・25㍍(最大15・7㍍)、2期島で平均15・85㍍(最大18・31㍍)も沈下しており、護岸のかさ上げやジャッキアップ、止水壁などの沈下対策も今回の台風で完全に破産しました。軟弱地盤の上に造った海上空港の根本的脆弱(ぜいじゃく)性から逃れることはできません。空港機能の要をなす地下の電源には海水が洪水のように押し寄せ水没。主要航空会社が使用する1期空港の完全回復はままなりません。
 伊丹空港や神戸空港に国際線機能を移すことには住民の反対運動が起こり、振り替えたとしてもせいぜい70便増やせるにすぎず、一日平均約460便あった運航の回復は絶望的です。
 2016年のコンセッション(運営権の民間売却)方式による民営化以降、技術者が次々と辞めざるをえない状況になっています。ジェット燃料タンクに海水が入っていたこともわかりました。安全点検も不十分なままの運航強行は、必ず大事故につながります。
 命より金の安倍を今こそ打倒する時が来ました!

これは人災だ!闘う労組が必要

 泉佐野市内は風速50㍍超の暴風が吹き荒れ、民家数千軒の屋根瓦が飛び、1万1720軒が停電。市役所は被災者でいっぱいになりました。関空島と陸地をつなぐ唯一の連絡橋には2500㌧のタンカーが激突。最大横4㍍ものずれが起こり、鉄道も道路も使用不能になりました。
 許しがたいのは、関空島に8千人もの人々が取り残されているのに、当初千数百人と発表し、3千人、5千人とウソの報道を続けていました。関空で働く労働者の命や安全のことなどどうでもいいのか! 関空の閉鎖はなんと午後3時でした。その時すでに8千人の労働者と乗客は移動する手段を奪われていました。
 すさまじい暴風が予測されたのに、労働者に出勤を命じた資本は許せません。知人の娘さんはこの日も出勤し、バスで島から脱出できたのは翌日の夕方です。その間、島内では電源水没でアナウンスも流れず携帯電話もつながらず、恐怖におののきながらバスを待ち続けたそうです。
 大阪府の松井一郎知事は9日、「タンカーの衝突さえなければよかった。関空が今の状況に至っているのは人災」などと表明しましたが言語道断です。このタンカーは4日に製油所で燃料を積み込む予定でしたが、台風で5日に延期されたためそのまま停泊していました。暴風雨にもかかわらず運航を続けるために燃料を運ばせようとしたことに一切の原因があります。
 暴風で横転するトラックが続出し、電柱や大木が倒れ信号もつかない中で、関空島の労働者をはじめ多くの会社が労働者に仕事をさせました。会社に責任を取らせることが必要です。労働者の命と安全を守るためには闘う労働組合が絶対必要だと痛感します。ストライキで闘う労働組合の闘いこそが労働者と住民の命と生活を守るのです。災害を口実とした解雇、休業補償なし、住宅立ち退きなどが予測されます。闘う労働組合への結集を全力で呼びかけたいと思います。

安倍の関空再開は改憲の先取り

 暴風雨の中、関空島に取り残された労働者や命の危険があるのに仕事をした労働者、停電・断水・家屋損壊の住民、休業補償も払われない非正規職労働者など労働者階級は「政治は労働者住民が生きるためにこそある」と感じています。命や安全より金もうけに走る安倍や松井の正体を見抜かないはずがありません。
 安倍の関空再開強行は改憲攻撃です。自民党改憲案にある「緊急事態」条項の先取りです。それは「戦争突入下での決断」と言えます。自民党総裁選から秋の臨時国会での改憲発議策動と一体です。今こそ労働者住民の怒りを安倍、資本家階級にたたきつける時です。被災で生み出された怒りと結びつき、改憲阻止の決戦に立ち上がります。
(関西新空港絶対反対泉州住民の会代表・中川育子)

[転載]台風21号で関西空港が水没

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台風21号で関西空港が水没
新自由主義の崩壊が安倍を直撃

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(写真 滑走路まで浸水し使用不能になった関西空港【9月4日】)

 9月4日、開港からちょうど24年目、台風21号で関西空港が完全に水没し使用不能に陥りました。国鉄分割・民営化と一体で4千㍍滑走路を持つ日本初の24時間海上空港、民間活力導入第1号、軍事空港として進めてきた巨大プロジェクトが根底から崩壊を始め、安倍政権を直撃しています。
 大恐慌と戦争の開始、アジア市場をめぐる激しい争闘戦の激化の中で、関空は関西財界のみならず日本帝国主義にとって、なくてはならない大動脈、国際物流・観光の拠点でした。軍事空港=有事の兵站(へいたん)の拠点としても、成田空港と並ぶ位置です。
 安倍はこの事態に驚愕(きょうがく)し、6日には運航再開を発表しました。しかし埋め立て時から1期島で平均13・25㍍(最大15・7㍍)、2期島で平均15・85㍍(最大18・31㍍)も沈下しており、護岸のかさ上げやジャッキアップ、止水壁などの沈下対策も今回の台風で完全に破産しました。軟弱地盤の上に造った海上空港の根本的脆弱(ぜいじゃく)性から逃れることはできません。空港機能の要をなす地下の電源には海水が洪水のように押し寄せ水没。主要航空会社が使用する1期空港の完全回復はままなりません。
 伊丹空港や神戸空港に国際線機能を移すことには住民の反対運動が起こり、振り替えたとしてもせいぜい70便増やせるにすぎず、一日平均約460便あった運航の回復は絶望的です。
 2016年のコンセッション(運営権の民間売却)方式による民営化以降、技術者が次々と辞めざるをえない状況になっています。ジェット燃料タンクに海水が入っていたこともわかりました。安全点検も不十分なままの運航強行は、必ず大事故につながります。
 命より金の安倍を今こそ打倒する時が来ました!

これは人災だ!闘う労組が必要

 泉佐野市内は風速50㍍超の暴風が吹き荒れ、民家数千軒の屋根瓦が飛び、1万1720軒が停電。市役所は被災者でいっぱいになりました。関空島と陸地をつなぐ唯一の連絡橋には2500㌧のタンカーが激突。最大横4㍍ものずれが起こり、鉄道も道路も使用不能になりました。
 許しがたいのは、関空島に8千人もの人々が取り残されているのに、当初千数百人と発表し、3千人、5千人とウソの報道を続けていました。関空で働く労働者の命や安全のことなどどうでもいいのか! 関空の閉鎖はなんと午後3時でした。その時すでに8千人の労働者と乗客は移動する手段を奪われていました。
 すさまじい暴風が予測されたのに、労働者に出勤を命じた資本は許せません。知人の娘さんはこの日も出勤し、バスで島から脱出できたのは翌日の夕方です。その間、島内では電源水没でアナウンスも流れず携帯電話もつながらず、恐怖におののきながらバスを待ち続けたそうです。
 大阪府の松井一郎知事は9日、「タンカーの衝突さえなければよかった。関空が今の状況に至っているのは人災」などと表明しましたが言語道断です。このタンカーは4日に製油所で燃料を積み込む予定でしたが、台風で5日に延期されたためそのまま停泊していました。暴風雨にもかかわらず運航を続けるために燃料を運ばせようとしたことに一切の原因があります。
 暴風で横転するトラックが続出し、電柱や大木が倒れ信号もつかない中で、関空島の労働者をはじめ多くの会社が労働者に仕事をさせました。会社に責任を取らせることが必要です。労働者の命と安全を守るためには闘う労働組合が絶対必要だと痛感します。ストライキで闘う労働組合の闘いこそが労働者と住民の命と生活を守るのです。災害を口実とした解雇、休業補償なし、住宅立ち退きなどが予測されます。闘う労働組合への結集を全力で呼びかけたいと思います。

安倍の関空再開は改憲の先取り

 暴風雨の中、関空島に取り残された労働者や命の危険があるのに仕事をした労働者、停電・断水・家屋損壊の住民、休業補償も払われない非正規職労働者など労働者階級は「政治は労働者住民が生きるためにこそある」と感じています。命や安全より金もうけに走る安倍や松井の正体を見抜かないはずがありません。
 安倍の関空再開強行は改憲攻撃です。自民党改憲案にある「緊急事態」条項の先取りです。それは「戦争突入下での決断」と言えます。自民党総裁選から秋の臨時国会での改憲発議策動と一体です。今こそ労働者住民の怒りを安倍、資本家階級にたたきつける時です。被災で生み出された怒りと結びつき、改憲阻止の決戦に立ち上がります。
(関西新空港絶対反対泉州住民の会代表・中川育子)

転載元: たたかうユニオンへ!

9・30オスプレイ横田デモへ

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9・30オスプレイ横田デモへ
三多摩 U

オスプレイ配備反対! 改憲阻止! 基地撤去!
横田集会&デモ
9月30日(日)
午後2時集会開始
福生市民会館 第4・第5集会室
集会後、横田基地に向けてデモ
呼びかけ 改憲・戦争阻止!大行進 三多摩実行委員会(準)

 10月1日のオスプレイ横田基地正式配備に対し、配備反対の9・30横田集会&デモを改憲・戦争阻止!大行進三多摩実行委員会準備会が呼びかけています。
 先日、横田基地の地元、JR福生(ふっさ)駅前で参加を呼びかけるビラをまきました。夕方の1時間でしたが、100枚近く受け取られ、注目度の高さを感じました。
 立ち止まってビラを読み始めた60代の女性は「うちの真上を通っているのよ。困っちゃう。怖い」とオスプレイの飛行コースと低さへの不安を訴えました。女子学生がビラをもらいに来たり、3人グループが「ほんとうるさいですよねー、オスプレイ」と相づちしていったり、帰りがけの中学生にも大注目されました。
 他にも「安倍はいや。心配でたまらない」(60代女性)、「がんばって。オスプレイ、うるせえからな」(60代男性)、配備は「反対に決まっている。ここに落ちたら大変なことになる」(50代男性)など多くの声が寄せられました。
 「配備賛成だ」という男性もいましたが、他の人はみんなオスプレイの騒音への怒りや墜落への不安を口々に語りました。1時間の間にC130輸送機が何回か「ゴーッ」という轟音(ごうおん)を立てて頭上を飛んでいきましたが、確かにうるさいです。
 学校や病院、住宅が密集する横田基地周辺をはじめ、首都圏の空を侵略機オスプレイが飛び回ることなど絶対に許せません。沖縄の怒りとともに東京―首都圏から声をあげ、三多摩の地に改憲・戦争阻止!大行進をつくっていきたいと思います。ぜひ大結集をお願いします。

大停電、大災害は人災

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  大停電、大災害は人災
北海道地震 泊原発も外部電源一時喪失

震度7を初観測、全道で停電と断水

 9月6日未明の北海道胆振(いぶり)東部地震から1週間がたった。北海道で震度7が初観測された。今も余震が続き、12日現在、7市町の避難所に約1600人が避難し、震源地・厚真町と隣の安平町の165戸で停電が続き、この2町や札幌市などで約4900戸が断水中だ。
 厚真町での斜面の崩壊など全道で建物は全壊・半壊が230戸。41人が亡くなった。ブラックアウト(全道の停電)や、断水で人びとの生活や産業に甚大な被害が生じた。今も電力供給が追い付かず、節電が呼びかけられ、工場の操業はほぼ再開されたが店頭では品不足が続いている。
 札幌市清田区や北広島市では液状化現象で地滑りが起こり、10軒の家屋が全壊。札幌市北・東区では、地下鉄工事で開削工法が用いられた区間で道路が陥没し、全面復旧していない。
 地震と停電、ガソリン不足でJRなど交通機関も完全に停止。JRは徐々に復旧しているが、日高線の勇払―浜厚真間で橋桁がずれ、復旧に数カ月を要するだけでなく、予算がなくて単独では工事ができないという。日高線は3年半前の高潮被害で鵡川―様似間が不通になり、復旧工事をせずに沿線にバス転換を迫っていた。

泊には1527体の使用済み核燃料

 震源の近くには全道の供給電源の約半分を占める苫東厚真火力発電所があり、地震の直後に停止した。北電は、電源の一カ所集中でコスト削減を図ったほか、「泊原発があればブラックアウトは起きない」と見ていた。泊原発は2012年から全基が停止したままだ。北電は泊の再稼働が見通せない中で、発電コストの安い厚真の石炭火力発電への依存度を強めたものの、1980年1号機完成という老朽設備のメンテナンスは泊原発の再稼働を当てにしておざなりだった。
 今回の地震で、泊原発は核燃料を冷却する外部電源を一時喪失し、非常用ディーゼル発電機が起動した。燃料プールの使用済み核燃料は1527体。外部電源は3系統から供給されていたがすべてがストップした。危機一髪だったのだ。
 JR北海道は、信濃川発電所を所有するJR東と違って自社の発電所を所有せず、北電からの電力供給に全面依存していた。線路点検をしても、駅や設備が働かなくてディーゼル機関車も動かせなかった。
 今回の地震による被害を大きくしたのは、「選択と集中」によるコスト削減という新自由主義政策だ。

大災害でも改憲に突き進む安倍政権

 改憲をめぐる攻防が正念場を迎えている。大災害が続いていても自民党が総裁選を中断しないで改憲・戦争を急いでいることに人びとは怒っている。支配階級は、日本帝国主義が崩壊の危機に直面する今、地震が起きようが台風が来ようが構っていられない。安倍の改憲クーデター策動を見抜き、安倍と改憲を葬り去る絶好の機会が到来していることを確認し闘おう。

北海道胆振東部地震「泊原発が動いていれば停電はなかった」論はなぜ「完全に間違い」なのか

9/10(月) 8:40配信  

   去る9月6日3時8分、北海道胆振(いぶり)地方の深さ37kmを震源とするM6.7の地震が発生しました。最大震度は震度7(激震)で、これは北海道では記録上最大の揺れとなりました。
 この地震により直後から北海道全道で電力供給が止まり、執筆中の9月8日6時現在で2万戸が停電しています。また、電力供給能力が下がっており、需要家への節電が呼びかけられており、計画停電の可能性も報じられています。電力供給能力の完全復旧までには地震発生から1週間以上かかると見込まれています。

 この地震により北海道電力は、離島を除く管内全域で停電を起こし長期間運転休止中の泊発電所では、外部電源喪失という原子力発電所としては極めて深刻なインシデントを生じました。

 そして、例によってこの地震発生直後から、「泊発電所は大丈夫か、福島核災害の再来とならないか。」「泊発電所を運転していれば停電は起こらなかった。今からでもすぐに運転しろ。」という2つの声がSNSで飛び交っています。特に後者はそれぞれ一部の工学系研究者、科学技術系ライター、起業家、急進右派政治家と、ネット右翼(ネトウヨ)によりオルゴール様言論と化しています。

 さて、この地震では北海道電力に何が起きたのでしょうか? そして、これら2つの言論は意味のあるものなのでしょうか。本稿ではこれらを検証します。

◆日本では起きないとされていた「ブラックアウト」

 2018年9月6日3時8分、北海道胆振地方中東部深さ37kmを震源に、M6.7の地震が起きました。この地震は北海道胆振東部地震と命名されましたが、本稿では北海道大地震と略称します。

 この地震により胆振地方では震度7を記録した地域を中心に甚大な人的、物的被害を生じました。一方で、地震の規模は日本での大地震としては際だって大きなものではなく、人口密集地での震度は最大で6弱、多くは5強以下となり大きな人的被害を生じませんでした。したがって地震被害のみでは、北海道の社会機能は早期に回復するはずでした。

 ところが、地震発生直後から17分以内に北海道全域で電力供給が止まり、短時間での復旧が不可能となりました。この状態をブラックアウトと呼び日本では起こりえないとされてきた極めて深刻な電力事故でした。このような大規模広域停電としてよく知られているのは2003年北アメリカ大停電で、5000万人が影響を受けました。当時日本では、小規模電力会社で構成されるため、広域送電技術の遅れている合衆国、カナダ固有の問題であって優れた送電技術を持つ日本では起こりえないとされました。今回それが北海道で発生したといえます。

 ブラックアウトが生じると、火力、原子力などの汽力発電所(蒸気や高温ガスでタービンを回し発電する発電所)の再起動は単独では不可能となり、水力発電によって電力を汽力発電所に供給し、その電力によって起動してゆきます。そのため再起動にはたいへんな時間がかかります。

 このブラックアウトによって泊発電所が外部電力喪失となり、非常用ディーゼル発電機(DG)によって所内電力を供給することになりました。2011年の福島核災害(Fukushima Nuclear Disaster)は、地震により夜の森27号鉄塔が倒壊したことによる外部電源喪失が引き金になって起こっていますので、多くの市民がまた核災害が起きるのではと恐怖を感じ、一時騒然となりました。幸い、泊発発電所では非常用DG起動に成功し、その日のうちに外部電源も回復しましたので事無きを得ています。

 このブラックアウトがもしも厳冬期に起きれば、確実に数多くの凍死者がでていました。また不幸な条件が重なり、泊発電所で大規模核災害が生じた場合、福島核災害と異なり、発電所の東側に広大な居住地が広がる為にきわめて深刻な被害を生じていました。今回、この二つの最悪の想定に比してきわめて軽微な損害で終息しつつありますが、それでも人的、物的、経済的被害は大きなものとなります。

◆止まっていてむしろ幸いだった泊発電所

 震災当時、泊発電所は福島核災害後の再審査に手間取っており、運転認可がありませんでした。結果、泊発電所の全原子炉は停止後6年を経て冷温停止状態でした。そもそも、核燃料は原子炉の中になく、すべて使用済み核燃料プール(SFP)で冷却中でした。

 核燃料は、原子炉での連鎖核反応が終わったあとも核分裂性物質(FP)の崩壊によって熱を発生させます。これを崩壊熱と呼びますが、原子炉停止直後には原子炉熱出力の10%の崩壊熱を持ち、冷却が途絶すると数時間で炉心溶融が生じます。この崩壊熱は1年後に0.2%となり、5年後には一万分の一程度になります。この為、SFPの中の核燃料の崩壊熱によってプールの水が沸騰するまでには電源喪失後一週間以上の時間的余裕があると予想されます。

 原子力・核施設の安全を確保する為にとても大切なのは時間的余裕(時間稼ぎ)です。使用から何年も経過した使用済み核燃料は、十分に「冷えて」いて電源喪失後も緊急時対応に使える時間はたっぷりあります。したがって、人の手が加えられる限り(人が近づける限り)燃料溶融のような破滅的危機に陥ることは無いと考えて良いです。

 これがもしも運転中の原子炉ですと、外部電源喪失後に非常用DG起動に失敗し、更なる措置にも失敗して原子炉の熱除去に失敗した場合、速やかに(約2時間程度で)炉心は溶融し、最悪の場合は原子炉が爆発、崩壊することで大規模核災害に到ることになります。もちろん、非常用DGは二重化されており、高い信頼性がありますし、今回は無事に起動しています。したがって、運転中であっても今回は無事に冷温停止に持ち込めたと思われます。

 しかし、事実として運転中と停止中の原子炉では根本的に内包するリスクは異なります。

 停止中の原子炉と運転中の原子炉とでは、安全余裕に雲泥の差があります。時々見受けられる運転中の原子炉も停止中の原子炉も、安全性に違いがないから運転していたほうが良いと言う無根拠の意見は、根本的かつ完全に誤っています。そのような言論には塵芥ほどの価値もありません。

 では今回、原子力安全の柱である多重防護においてどのような意味を持ったのでしょうか。その前に多重防護について概説します。

 原子力は、多重防護によって、安全対策を多段化し、確実性を高めています。具体的には多重防護は、安全の5つの段階(例)からなります。

  1.異常発生の防止(設計、点検、品質保証、運転)

  2.異常の拡大の防止(止める、固有安全性)

  3.事故時の影響の緩和(冷やす、閉じこめる)

  4.シビアアクシデント対応(ベントなど、緊急時対応)

  5.サイト外の緊急時対応(原子力防災)

 きわめて重要なことですが、多重防護は、「前段否定の論理」(※各レベルの十分な対策を前提にして, あえてその効果が十分でなかった場合に備えて安全対策を多層にすること)であって、相互に完全に独立していなければ意味がありません。具体的には、「冷やすから、止まらなくてよい」「閉じ込めるから、冷やさなくてよい」ではないのです。今回の場合、「非常用DGがあるから、外部電源喪失しても良い」という考えは絶対に認められません。

 多重防護について表1にまとめます。

 多重防護はかつては第3層まででしたが、5層への増層が1979年にフランスで導入されその後欧州では90年代に一般化し、合衆国でも第4層を除いて導入されました。しかし、9.11同時多発テロにより、合衆国でも第4層の導入が迅速になされ、5層の多重防護は旧西側世界での標準となっています。

 ところが、日本では2011年3月11日まで多重防護は3層までしかありませんでした。

 日本で5層の多重防護を導入しなかった理由は,3層の多重防護により、シビアアクシデント(SA)が発生しないと言う考えによります。この考え方自体が、多重防護の大原則である「前段否定の論理」に反します。実際には、 多重防護の5層化で「寝た子を起したくなかった」、市民に不信感を持たれたくなかったと言うのが実態でした。代替としてアクシデントマネジメント(AM)の自主対応が提唱されましたが、このAMは福島核災害において2号炉、3号炉の爆発を誘発したとの指摘があります。

 今日の日本では、多重防護の第5層は事実上導入されていません。第4層まではハードウェアと言う形で導入されていますが、原子力防災という第5層、社会的ソフトウェアが主体となるものには責任を取るものが居ない、ようするに実体がありません。これを如実に示すのが図2です。

 さて、それでは今回のブラックアウトにおける泊発電所の重大インシデントはどの位置づけになのでしょうか。

 今回、地震によって送電系統が破綻を来し、全道で送電が長時間停止しました。これにより泊発電所は、外部電源をすべて喪失し、回復には半日を要しています。これは多重防護の第1層が破れたことを意味します。次いで非常用DGが起動して電力を原子炉へ供給することに成功しました。これは多重防護の第2層が有効に機能したことを意味します。今回のインシデントは、外部電源を長時間、完全に失うと言う重大インシデントですが、一方で多重防護の第2層が正常に機能したと言うことは確かなことです。国際原子力事象評価尺度(INES)でもレベル0相当と思われます。

 しかし、諸外国では起きても日本では起こり得ないとしてきたブラックアウトが現実に発生し、その送電網に接続されている原子炉に重大インシデントである長時間の外部電源全喪失が発生したことはたいへんに深刻なことです。しかも実際には北海道電力の送電網はブラックアウトに対して脆弱性があることが以前から分かっていたとのことで、ここに日本の宿痾である「安全神話」が存在します。

 安全神話は、発見次第潰さねば多重防護に大きな穴を開けます。今回のインシデントは大きな教訓を残しています。

◆「泊発電所が稼働していれば大停電はなかった」論の愚

 私がSNSを見ていた限りにおいて、9月6日8:22に次のようなTweetがありました。下に要約します。

”こういう脆弱な状況がずっと続いてきた

 恐れていた事態が遂に起こった

 発電所が一つ停止しただけで破綻する状況が異常だ

 泊が動いてればこういう事態にはならなかった。”

 このTweet以後、申し合わせていたかのように泊が稼働していれば大停電は起きなかったと言う主張が雲霞の如く発生しました。

 この主張は正しいのでしょうか? 答えは否。この主張は、何重にも誤っています。

◆そもそも「不適格」状態だった泊原発

 まず、泊発電所は、原子力規制委員会による審査に合格することが出来ずに稼働できていません。したがって、大前提として泊発電所は商用原子力発電所として法的に稼働できません。したがって、「泊が動いていれば」という仮定自体が全く無意味です。

 泊発電所は、優先して審査が進められている加圧水型原子力発電所(PWR)の中でも当初最優先で審査が進められていました。これは再稼働の実績を作る為にPWRの中でも反発の少ない田舎の発電所を優先した為と指摘されています。ところが、泊の審査が進まず、伊方発電所が最優先となり、この伊方も愛媛知事選前年の市民による反対集会に予想外に多くの市民が集まり、翌年の愛媛県知事選挙への影響を恐れて繰り延べになりました。結果、既に県知事選挙を終えていた鹿児島県の川内発電所の審査を最優先に進められた経緯があります。この当時、鹿児島県知事であった伊藤祐一郎氏は、自治官僚時代に石川県に出向し、志賀原子力発電所の立地計画に携わった経緯がありました。

 伊方発電所は1年遅れの2016年8月に再稼働し、既に隣接県、市町村などの反発が強く逆風の強い関西電力でも大飯、高浜発電所の再稼働がはじまっています。PWR陣営では、老朽化著しい美浜発電所、直下に活断層があり、審査合格の見込みがない原電敦賀2と泊発電所が再稼働未達成で残るだけです。

 では何故、泊発電所は新規制基準の適合性審査に合格できないのでしょうか。泊発電所は3号炉が2009年運開と、国内PWRではずば抜けて若く、1号炉2号炉も第1次改良標準化炉の後期運開で、問題になるほど古い訳ではありません。

 理由は単純に、北海道電力が原子力規制委員会(NRA)の求める水準を満たせないからです。書類不備が次々にNRAに指摘され、適合性審査は遅れに遅れています。国や関係者は、NRAの適合性審査を、「世界一厳しい」と僭称(せんしょう)していますが、実際には多重防護の第5層が存在しないことからも分かるように、旧西側世界ではザルといって良いくらい大変に甘いものです。その適合性審査の合格水準に遠く及ばないのが北海道電力泊発電所です。

 また、泊発電所は、東京電力柏崎・刈羽発電所と並んで構内で不審者の侵入や不審火が多発(参照:泊発電所の安全管理体制 北海道庁)する世界でも珍しい原子力発電所で、これも原子力安全という点で著しい欠格事項です。

 もともと2014年には運開が見込まれていた泊発電所が審査に合格できず運転再開できない、この先順調に審査が進んだとしても来年後半の運開も怪しいのは単純に泊発電所が基準を満たせない為です。したがって、「泊が運転中であれば」という「たら」「れば」論は、6年越しで車検に合格できない整備不良の無車検車を乗り回せ「たら」と言うようなものです。

 要するに、手続き論としこれらの主張は破綻しています。

◆動いていてもブラックアウトは起きていた

 次に、仮に泊発電所が適合性審査に合格していて、3号炉が運転中だった場合、どうでしょうか。泊発電所3号炉はどのような炉でしょうか。

泊発電所3号炉

・第二次改良標準化加圧水型原子炉(耐寒特別仕様)

・ループ数 3

・電気出力 912MWe

・運転開始 2009年12月22日

・建設 三菱重工(ウエスチングハウス系)

 PWRとしてもたいへんに手ごろで使いやすい炉で、日本の第二世代型(2G)原子炉としては決定版と言っても良い、優れた原子炉と言えます。運開日が今は亡きソ連邦原子力産業記念日であることもあって私のお気に入りの原子炉です。(チェルノブイル4号炉の運開日なので、普通は避けると思いますが……)

 今回の地震は、3時8分と言う需要が最も少ない時間に発生しており、この時間の電力需要は3GWe前後、日中の最大需要が3.8GWeと推測されます。

 ここで震源から至近距離にある苫東厚真発電所2号機4号機(石炭火力600MWe, 700MWe)合計1.3GWeが緊急停止しました。負荷(需要)の40%を超える発電機が脱落したため、送電網は過負荷となり、周波数が限界を超えて低下した為、遮断器が自動動作して回路を切り離して行きます。また苫東厚真1号機(石炭火力 350MWe)も短時間で脱落し、合計1.65GWeとこの時間の負荷の過半を超える発電量を短時間で失いました。

 図3と図1を比較するとわかるように、地震の震源と苫東厚真発電所、送電網の結節点である変電所が重なっています。執筆時点ではまだ分かりませんが、苫東厚真発電所が脱落し、更に変電所の打撃で道東が送電網から切り離されたと考えられます。こうなると送電網の制御が不可能となり、次々と遮断機が自動動作し、停電域は急速に拡大して行きます。結果17分間でほぼ全道が、8時ころまでに全道が停電してしまいました。

 北海道電力の特徴は、産炭地であったと言う歴史的経緯から火力発電所にしめる石炭火力発電所の割合が高いことです。石炭火力発電所は、負荷追従運転が苦手で、出力調整運転も余りしません。基本的に定格出力運転をする為に出力変動調整能力に欠けます。これは原子力発電所も同じで、日本の原子力発電所は負荷追従運転ができませんし、出力調整運転の認可を受けていません。結果、やはり定格出力運転のみを行います。

 北海道電力は、電力需要が少ない一方で、需要に対して容量の大きな発電所が多く、それらは出力調整能力を持たない(あっても負荷追従が出来ない)と言う特徴があります。

 結果、電力需要の少ない夜間に発電容量の大きな発電所が急に脱落すると出力調整余力がなく連鎖的に送電網が破綻してしまうという弱点があります。

 送電網を通る電力は三相交流(図4)です。そのため、すべての発電所は、正確に同期しながら発電します。

 この為、直流の電池をつなげるのと異なり、ただ単に容量のたし算が出来れば良いと言う訳でなく、すべての発電所が歩調を合わせながら常時変動する需要(負荷)に合わせて発電します。ムカデ競走の様なものと考えれば良いです。

 その中で原子力発電は出力調整をしません。石炭火力も出力調整を苦手とします。しかもそれらは大出力です。結果、北海道電力は、数人の大人が交じった小学生のムカデ競走のようなもので大人が一人でも転ぶと全体が転ぶ弱点があります。

 本来、石油火力発電所、天然ガス火力発電所、一般水力発電所、揚水発電所によって出力を調整し発電量と消費量を一致させますが、原子力と石炭火力の占める割合の大きな北海道電力ではその調整力がたいへんに弱いのです。とても弱いムカデ競走チームです。

 単一の電力会社の管内で電力需給の調整ができない場合、他の電力会社との電力融通を行います。これを連系線(図6)と呼びます。例えば四国電力では、本州との間に二系統合計3.8GWeの連携線を持ちますが、北海道電力は、北本連携線600MWeしか持たず、調整力が弱いのです。

 結論を書けば、今回仮に泊発電所が動いていた場合、定格出力運転中の原子炉は苫小牧での送電網破綻の影響で緊急停止することになり、その上ブラックアウトの為に外部電源を喪失します。これはたいへんに危険なことで、もしもここですべての非常用DGの起動に失敗すれば最終的に原子炉が爆発する可能性があります。

 これは北海道電力特有の弱点で、今回その弱点が露呈したと言えます。これにより、今後泊発電所の適合性審査はさらに難しいことになると考えられます。なぜなら、安定した送電と外部電源という多重位防護の第1層に弱点を露呈したことになるからです。

◆北海道電力は今回のブラックアウトを糧にせよ

 北海道電力は初の天然ガス火力発電所となる石狩湾新港発電所(総出力1.7GWe)を建設中ですが、このうち1号機(570MWe)が来年2月に運開予定です。これにより苫小牧に集中している発電所が石狩湾岸に分散されます。また、北本連系線の増強も2019年に完成し、現在の600MWeから900MWeに増強されます。

 現状では完成は2030年と予定されていますが、石狩湾新港発電所が3号機まで完成すると、苫東厚真発電所と同等の容量の発電所が石狩湾岸に分散され、また天然ガス火力は出力調整能力を持ち、起動特性も良好です。なお、天然ガス火力発電所は着工後3年で完成できます。

 北海道電力は泊発電所の再稼働に経営資源を配分してきた為に石狩湾新港発電所への投資が遅れており、今回のブラックアウトは投資判断の誤りの結果と考えることも出来ます

 冒頭のTweetの要約を再掲します。

”こういう脆弱な状況がずっと続いてきた

 恐れていた事態が遂に起こった

 発電所が一つ停止しただけで破綻する状況が異常だ

 泊が動いてればこういう事態にはならなかった。”

 このTweetは、発電所を乾電池と勘違いしています。実際には、三相交流の同期を厳密に維持せねばならず、泊発電所のような大出力で、出力追従が出来ず、出力調整には新たな適合性審査の必要な原子力発電所は現状の北海道電力の送電網の持つ脆弱性を更に大きくしてしまいます。むしろ、そのような脆弱性を持つ発電網に原子力発電所を接続することは、多重防護の考えに反します。多重防護は原子力安全の大黒柱です。このTweetはその大黒柱にシロアリを住まわせるような危険な発想です。このような考えは、最悪、原子炉を爆発させてしまいます。

 北海道は、風力発電にきわめて好適です。また、炭層メタン(コールベッドメタン:CBM)と呼ばれる合衆国始め諸外国ではとっくに実用化している天然ガスが閉山した炭坑に豊富に存在します。更に、ロシアのサハリンからの天然ガス輸入に好適であり且つ資源がだぶついているアラスカ産の天然ガス輸入にも好適な位置にあります。天然ガスは有効な資源として来世紀いっぱい持つほどに豊富にあり、現在世界は新・化石資源革命と呼称できるほどの大変革に見舞われています。

 天然ガス火力は、出力300~600MWeが主力であり、北海道電力の送電網に丁度よい発電規模を持ちます。無理な大出力化をしなくても十分にやすいのです。

 北海道電力は過去100年間「常敗無勝」を誇る日本のエネルギー政策に翻弄されてきました。その結果が今回の北海道大停電です。この停電がもしも冬に起きていればたいへんな数の凍死者が生じていました。もはや常敗無勝路線から脱せねばならないと私は考えます。

『コロラド博士の「私はこの分野は専門外なのですが」』番外編2

<文/牧田寛 Twitter ID:@BB45_Colorado>

まきた ひろし●著述家・工学博士。徳島大学助手を経て高知工科大学助教、元コロラド大学コロラドスプリングス校客員教授。勤務先大学との関係が著しく悪化し心身を痛めた後解雇。1年半の沈黙の後著述家として再起。本来の専門は、分子反応論、錯体化学、鉱物化学、ワイドギャップ半導体だが、原子力及び核、軍事については、独自に調査・取材を進めてきた。原発問題についてのメルマガを近日配信開始予定

[転載]大停電、大災害は人災

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  大停電、大災害は人災
北海道地震 泊原発も外部電源一時喪失

震度7を初観測、全道で停電と断水

 9月6日未明の北海道胆振(いぶり)東部地震から1週間がたった。北海道で震度7が初観測された。今も余震が続き、12日現在、7市町の避難所に約1600人が避難し、震源地・厚真町と隣の安平町の165戸で停電が続き、この2町や札幌市などで約4900戸が断水中だ。
 厚真町での斜面の崩壊など全道で建物は全壊・半壊が230戸。41人が亡くなった。ブラックアウト(全道の停電)や、断水で人びとの生活や産業に甚大な被害が生じた。今も電力供給が追い付かず、節電が呼びかけられ、工場の操業はほぼ再開されたが店頭では品不足が続いている。
 札幌市清田区や北広島市では液状化現象で地滑りが起こり、10軒の家屋が全壊。札幌市北・東区では、地下鉄工事で開削工法が用いられた区間で道路が陥没し、全面復旧していない。
 地震と停電、ガソリン不足でJRなど交通機関も完全に停止。JRは徐々に復旧しているが、日高線の勇払―浜厚真間で橋桁がずれ、復旧に数カ月を要するだけでなく、予算がなくて単独では工事ができないという。日高線は3年半前の高潮被害で鵡川―様似間が不通になり、復旧工事をせずに沿線にバス転換を迫っていた。

泊には1527体の使用済み核燃料

 震源の近くには全道の供給電源の約半分を占める苫東厚真火力発電所があり、地震の直後に停止した。北電は、電源の一カ所集中でコスト削減を図ったほか、「泊原発があればブラックアウトは起きない」と見ていた。泊原発は2012年から全基が停止したままだ。北電は泊の再稼働が見通せない中で、発電コストの安い厚真の石炭火力発電への依存度を強めたものの、1980年1号機完成という老朽設備のメンテナンスは泊原発の再稼働を当てにしておざなりだった。
 今回の地震で、泊原発は核燃料を冷却する外部電源を一時喪失し、非常用ディーゼル発電機が起動した。燃料プールの使用済み核燃料は1527体。外部電源は3系統から供給されていたがすべてがストップした。危機一髪だったのだ。
 JR北海道は、信濃川発電所を所有するJR東と違って自社の発電所を所有せず、北電からの電力供給に全面依存していた。線路点検をしても、駅や設備が働かなくてディーゼル機関車も動かせなかった。
 今回の地震による被害を大きくしたのは、「選択と集中」によるコスト削減という新自由主義政策だ。

大災害でも改憲に突き進む安倍政権

 改憲をめぐる攻防が正念場を迎えている。大災害が続いていても自民党が総裁選を中断しないで改憲・戦争を急いでいることに人びとは怒っている。支配階級は、日本帝国主義が崩壊の危機に直面する今、地震が起きようが台風が来ようが構っていられない。安倍の改憲クーデター策動を見抜き、安倍と改憲を葬り去る絶好の機会が到来していることを確認し闘おう。

北海道胆振東部地震「泊原発が動いていれば停電はなかった」論はなぜ「完全に間違い」なのか

9/10(月) 8:40配信  

   去る9月6日3時8分、北海道胆振(いぶり)地方の深さ37kmを震源とするM6.7の地震が発生しました。最大震度は震度7(激震)で、これは北海道では記録上最大の揺れとなりました。
 この地震により直後から北海道全道で電力供給が止まり、執筆中の9月8日6時現在で2万戸が停電しています。また、電力供給能力が下がっており、需要家への節電が呼びかけられており、計画停電の可能性も報じられています。電力供給能力の完全復旧までには地震発生から1週間以上かかると見込まれています。

 この地震により北海道電力は、離島を除く管内全域で停電を起こし長期間運転休止中の泊発電所では、外部電源喪失という原子力発電所としては極めて深刻なインシデントを生じました。

 そして、例によってこの地震発生直後から、「泊発電所は大丈夫か、福島核災害の再来とならないか。」「泊発電所を運転していれば停電は起こらなかった。今からでもすぐに運転しろ。」という2つの声がSNSで飛び交っています。特に後者はそれぞれ一部の工学系研究者、科学技術系ライター、起業家、急進右派政治家と、ネット右翼(ネトウヨ)によりオルゴール様言論と化しています。

 さて、この地震では北海道電力に何が起きたのでしょうか? そして、これら2つの言論は意味のあるものなのでしょうか。本稿ではこれらを検証します。

◆日本では起きないとされていた「ブラックアウト」

 2018年9月6日3時8分、北海道胆振地方中東部深さ37kmを震源に、M6.7の地震が起きました。この地震は北海道胆振東部地震と命名されましたが、本稿では北海道大地震と略称します。

 この地震により胆振地方では震度7を記録した地域を中心に甚大な人的、物的被害を生じました。一方で、地震の規模は日本での大地震としては際だって大きなものではなく、人口密集地での震度は最大で6弱、多くは5強以下となり大きな人的被害を生じませんでした。したがって地震被害のみでは、北海道の社会機能は早期に回復するはずでした。

 ところが、地震発生直後から17分以内に北海道全域で電力供給が止まり、短時間での復旧が不可能となりました。この状態をブラックアウトと呼び日本では起こりえないとされてきた極めて深刻な電力事故でした。このような大規模広域停電としてよく知られているのは2003年北アメリカ大停電で、5000万人が影響を受けました。当時日本では、小規模電力会社で構成されるため、広域送電技術の遅れている合衆国、カナダ固有の問題であって優れた送電技術を持つ日本では起こりえないとされました。今回それが北海道で発生したといえます。

 ブラックアウトが生じると、火力、原子力などの汽力発電所(蒸気や高温ガスでタービンを回し発電する発電所)の再起動は単独では不可能となり、水力発電によって電力を汽力発電所に供給し、その電力によって起動してゆきます。そのため再起動にはたいへんな時間がかかります。

 このブラックアウトによって泊発電所が外部電力喪失となり、非常用ディーゼル発電機(DG)によって所内電力を供給することになりました。2011年の福島核災害(Fukushima Nuclear Disaster)は、地震により夜の森27号鉄塔が倒壊したことによる外部電源喪失が引き金になって起こっていますので、多くの市民がまた核災害が起きるのではと恐怖を感じ、一時騒然となりました。幸い、泊発発電所では非常用DG起動に成功し、その日のうちに外部電源も回復しましたので事無きを得ています。

 このブラックアウトがもしも厳冬期に起きれば、確実に数多くの凍死者がでていました。また不幸な条件が重なり、泊発電所で大規模核災害が生じた場合、福島核災害と異なり、発電所の東側に広大な居住地が広がる為にきわめて深刻な被害を生じていました。今回、この二つの最悪の想定に比してきわめて軽微な損害で終息しつつありますが、それでも人的、物的、経済的被害は大きなものとなります。

◆止まっていてむしろ幸いだった泊発電所

 震災当時、泊発電所は福島核災害後の再審査に手間取っており、運転認可がありませんでした。結果、泊発電所の全原子炉は停止後6年を経て冷温停止状態でした。そもそも、核燃料は原子炉の中になく、すべて使用済み核燃料プール(SFP)で冷却中でした。

 核燃料は、原子炉での連鎖核反応が終わったあとも核分裂性物質(FP)の崩壊によって熱を発生させます。これを崩壊熱と呼びますが、原子炉停止直後には原子炉熱出力の10%の崩壊熱を持ち、冷却が途絶すると数時間で炉心溶融が生じます。この崩壊熱は1年後に0.2%となり、5年後には一万分の一程度になります。この為、SFPの中の核燃料の崩壊熱によってプールの水が沸騰するまでには電源喪失後一週間以上の時間的余裕があると予想されます。

 原子力・核施設の安全を確保する為にとても大切なのは時間的余裕(時間稼ぎ)です。使用から何年も経過した使用済み核燃料は、十分に「冷えて」いて電源喪失後も緊急時対応に使える時間はたっぷりあります。したがって、人の手が加えられる限り(人が近づける限り)燃料溶融のような破滅的危機に陥ることは無いと考えて良いです。

 これがもしも運転中の原子炉ですと、外部電源喪失後に非常用DG起動に失敗し、更なる措置にも失敗して原子炉の熱除去に失敗した場合、速やかに(約2時間程度で)炉心は溶融し、最悪の場合は原子炉が爆発、崩壊することで大規模核災害に到ることになります。もちろん、非常用DGは二重化されており、高い信頼性がありますし、今回は無事に起動しています。したがって、運転中であっても今回は無事に冷温停止に持ち込めたと思われます。

 しかし、事実として運転中と停止中の原子炉では根本的に内包するリスクは異なります。

 停止中の原子炉と運転中の原子炉とでは、安全余裕に雲泥の差があります。時々見受けられる運転中の原子炉も停止中の原子炉も、安全性に違いがないから運転していたほうが良いと言う無根拠の意見は、根本的かつ完全に誤っています。そのような言論には塵芥ほどの価値もありません。

 では今回、原子力安全の柱である多重防護においてどのような意味を持ったのでしょうか。その前に多重防護について概説します。

 原子力は、多重防護によって、安全対策を多段化し、確実性を高めています。具体的には多重防護は、安全の5つの段階(例)からなります。

  1.異常発生の防止(設計、点検、品質保証、運転)

  2.異常の拡大の防止(止める、固有安全性)

  3.事故時の影響の緩和(冷やす、閉じこめる)

  4.シビアアクシデント対応(ベントなど、緊急時対応)

  5.サイト外の緊急時対応(原子力防災)

 きわめて重要なことですが、多重防護は、「前段否定の論理」(※各レベルの十分な対策を前提にして, あえてその効果が十分でなかった場合に備えて安全対策を多層にすること)であって、相互に完全に独立していなければ意味がありません。具体的には、「冷やすから、止まらなくてよい」「閉じ込めるから、冷やさなくてよい」ではないのです。今回の場合、「非常用DGがあるから、外部電源喪失しても良い」という考えは絶対に認められません。

 多重防護について表1にまとめます。

 多重防護はかつては第3層まででしたが、5層への増層が1979年にフランスで導入されその後欧州では90年代に一般化し、合衆国でも第4層を除いて導入されました。しかし、9.11同時多発テロにより、合衆国でも第4層の導入が迅速になされ、5層の多重防護は旧西側世界での標準となっています。

 ところが、日本では2011年3月11日まで多重防護は3層までしかありませんでした。

 日本で5層の多重防護を導入しなかった理由は,3層の多重防護により、シビアアクシデント(SA)が発生しないと言う考えによります。この考え方自体が、多重防護の大原則である「前段否定の論理」に反します。実際には、 多重防護の5層化で「寝た子を起したくなかった」、市民に不信感を持たれたくなかったと言うのが実態でした。代替としてアクシデントマネジメント(AM)の自主対応が提唱されましたが、このAMは福島核災害において2号炉、3号炉の爆発を誘発したとの指摘があります。

 今日の日本では、多重防護の第5層は事実上導入されていません。第4層まではハードウェアと言う形で導入されていますが、原子力防災という第5層、社会的ソフトウェアが主体となるものには責任を取るものが居ない、ようするに実体がありません。これを如実に示すのが図2です。

 さて、それでは今回のブラックアウトにおける泊発電所の重大インシデントはどの位置づけになのでしょうか。

 今回、地震によって送電系統が破綻を来し、全道で送電が長時間停止しました。これにより泊発電所は、外部電源をすべて喪失し、回復には半日を要しています。これは多重防護の第1層が破れたことを意味します。次いで非常用DGが起動して電力を原子炉へ供給することに成功しました。これは多重防護の第2層が有効に機能したことを意味します。今回のインシデントは、外部電源を長時間、完全に失うと言う重大インシデントですが、一方で多重防護の第2層が正常に機能したと言うことは確かなことです。国際原子力事象評価尺度(INES)でもレベル0相当と思われます。

 しかし、諸外国では起きても日本では起こり得ないとしてきたブラックアウトが現実に発生し、その送電網に接続されている原子炉に重大インシデントである長時間の外部電源全喪失が発生したことはたいへんに深刻なことです。しかも実際には北海道電力の送電網はブラックアウトに対して脆弱性があることが以前から分かっていたとのことで、ここに日本の宿痾である「安全神話」が存在します。

 安全神話は、発見次第潰さねば多重防護に大きな穴を開けます。今回のインシデントは大きな教訓を残しています。

◆「泊発電所が稼働していれば大停電はなかった」論の愚

 私がSNSを見ていた限りにおいて、9月6日8:22に次のようなTweetがありました。下に要約します。

”こういう脆弱な状況がずっと続いてきた

 恐れていた事態が遂に起こった

 発電所が一つ停止しただけで破綻する状況が異常だ

 泊が動いてればこういう事態にはならなかった。”

 このTweet以後、申し合わせていたかのように泊が稼働していれば大停電は起きなかったと言う主張が雲霞の如く発生しました。

 この主張は正しいのでしょうか? 答えは否。この主張は、何重にも誤っています。

◆そもそも「不適格」状態だった泊原発

 まず、泊発電所は、原子力規制委員会による審査に合格することが出来ずに稼働できていません。したがって、大前提として泊発電所は商用原子力発電所として法的に稼働できません。したがって、「泊が動いていれば」という仮定自体が全く無意味です。

 泊発電所は、優先して審査が進められている加圧水型原子力発電所(PWR)の中でも当初最優先で審査が進められていました。これは再稼働の実績を作る為にPWRの中でも反発の少ない田舎の発電所を優先した為と指摘されています。ところが、泊の審査が進まず、伊方発電所が最優先となり、この伊方も愛媛知事選前年の市民による反対集会に予想外に多くの市民が集まり、翌年の愛媛県知事選挙への影響を恐れて繰り延べになりました。結果、既に県知事選挙を終えていた鹿児島県の川内発電所の審査を最優先に進められた経緯があります。この当時、鹿児島県知事であった伊藤祐一郎氏は、自治官僚時代に石川県に出向し、志賀原子力発電所の立地計画に携わった経緯がありました。

 伊方発電所は1年遅れの2016年8月に再稼働し、既に隣接県、市町村などの反発が強く逆風の強い関西電力でも大飯、高浜発電所の再稼働がはじまっています。PWR陣営では、老朽化著しい美浜発電所、直下に活断層があり、審査合格の見込みがない原電敦賀2と泊発電所が再稼働未達成で残るだけです。

 では何故、泊発電所は新規制基準の適合性審査に合格できないのでしょうか。泊発電所は3号炉が2009年運開と、国内PWRではずば抜けて若く、1号炉2号炉も第1次改良標準化炉の後期運開で、問題になるほど古い訳ではありません。

 理由は単純に、北海道電力が原子力規制委員会(NRA)の求める水準を満たせないからです。書類不備が次々にNRAに指摘され、適合性審査は遅れに遅れています。国や関係者は、NRAの適合性審査を、「世界一厳しい」と僭称(せんしょう)していますが、実際には多重防護の第5層が存在しないことからも分かるように、旧西側世界ではザルといって良いくらい大変に甘いものです。その適合性審査の合格水準に遠く及ばないのが北海道電力泊発電所です。

 また、泊発電所は、東京電力柏崎・刈羽発電所と並んで構内で不審者の侵入や不審火が多発(参照:泊発電所の安全管理体制 北海道庁)する世界でも珍しい原子力発電所で、これも原子力安全という点で著しい欠格事項です。

 もともと2014年には運開が見込まれていた泊発電所が審査に合格できず運転再開できない、この先順調に審査が進んだとしても来年後半の運開も怪しいのは単純に泊発電所が基準を満たせない為です。したがって、「泊が運転中であれば」という「たら」「れば」論は、6年越しで車検に合格できない整備不良の無車検車を乗り回せ「たら」と言うようなものです。

 要するに、手続き論としこれらの主張は破綻しています。

◆動いていてもブラックアウトは起きていた

 次に、仮に泊発電所が適合性審査に合格していて、3号炉が運転中だった場合、どうでしょうか。泊発電所3号炉はどのような炉でしょうか。

泊発電所3号炉

・第二次改良標準化加圧水型原子炉(耐寒特別仕様)

・ループ数 3

・電気出力 912MWe

・運転開始 2009年12月22日

・建設 三菱重工(ウエスチングハウス系)

 PWRとしてもたいへんに手ごろで使いやすい炉で、日本の第二世代型(2G)原子炉としては決定版と言っても良い、優れた原子炉と言えます。運開日が今は亡きソ連邦原子力産業記念日であることもあって私のお気に入りの原子炉です。(チェルノブイル4号炉の運開日なので、普通は避けると思いますが……)

 今回の地震は、3時8分と言う需要が最も少ない時間に発生しており、この時間の電力需要は3GWe前後、日中の最大需要が3.8GWeと推測されます。

 ここで震源から至近距離にある苫東厚真発電所2号機4号機(石炭火力600MWe, 700MWe)合計1.3GWeが緊急停止しました。負荷(需要)の40%を超える発電機が脱落したため、送電網は過負荷となり、周波数が限界を超えて低下した為、遮断器が自動動作して回路を切り離して行きます。また苫東厚真1号機(石炭火力 350MWe)も短時間で脱落し、合計1.65GWeとこの時間の負荷の過半を超える発電量を短時間で失いました。

 図3と図1を比較するとわかるように、地震の震源と苫東厚真発電所、送電網の結節点である変電所が重なっています。執筆時点ではまだ分かりませんが、苫東厚真発電所が脱落し、更に変電所の打撃で道東が送電網から切り離されたと考えられます。こうなると送電網の制御が不可能となり、次々と遮断機が自動動作し、停電域は急速に拡大して行きます。結果17分間でほぼ全道が、8時ころまでに全道が停電してしまいました。

 北海道電力の特徴は、産炭地であったと言う歴史的経緯から火力発電所にしめる石炭火力発電所の割合が高いことです。石炭火力発電所は、負荷追従運転が苦手で、出力調整運転も余りしません。基本的に定格出力運転をする為に出力変動調整能力に欠けます。これは原子力発電所も同じで、日本の原子力発電所は負荷追従運転ができませんし、出力調整運転の認可を受けていません。結果、やはり定格出力運転のみを行います。

 北海道電力は、電力需要が少ない一方で、需要に対して容量の大きな発電所が多く、それらは出力調整能力を持たない(あっても負荷追従が出来ない)と言う特徴があります。

 結果、電力需要の少ない夜間に発電容量の大きな発電所が急に脱落すると出力調整余力がなく連鎖的に送電網が破綻してしまうという弱点があります。

 送電網を通る電力は三相交流(図4)です。そのため、すべての発電所は、正確に同期しながら発電します。

 この為、直流の電池をつなげるのと異なり、ただ単に容量のたし算が出来れば良いと言う訳でなく、すべての発電所が歩調を合わせながら常時変動する需要(負荷)に合わせて発電します。ムカデ競走の様なものと考えれば良いです。

 その中で原子力発電は出力調整をしません。石炭火力も出力調整を苦手とします。しかもそれらは大出力です。結果、北海道電力は、数人の大人が交じった小学生のムカデ競走のようなもので大人が一人でも転ぶと全体が転ぶ弱点があります。

 本来、石油火力発電所、天然ガス火力発電所、一般水力発電所、揚水発電所によって出力を調整し発電量と消費量を一致させますが、原子力と石炭火力の占める割合の大きな北海道電力ではその調整力がたいへんに弱いのです。とても弱いムカデ競走チームです。

 単一の電力会社の管内で電力需給の調整ができない場合、他の電力会社との電力融通を行います。これを連系線(図6)と呼びます。例えば四国電力では、本州との間に二系統合計3.8GWeの連携線を持ちますが、北海道電力は、北本連携線600MWeしか持たず、調整力が弱いのです。

 結論を書けば、今回仮に泊発電所が動いていた場合、定格出力運転中の原子炉は苫小牧での送電網破綻の影響で緊急停止することになり、その上ブラックアウトの為に外部電源を喪失します。これはたいへんに危険なことで、もしもここですべての非常用DGの起動に失敗すれば最終的に原子炉が爆発する可能性があります。

 これは北海道電力特有の弱点で、今回その弱点が露呈したと言えます。これにより、今後泊発電所の適合性審査はさらに難しいことになると考えられます。なぜなら、安定した送電と外部電源という多重位防護の第1層に弱点を露呈したことになるからです。

◆北海道電力は今回のブラックアウトを糧にせよ

 北海道電力は初の天然ガス火力発電所となる石狩湾新港発電所(総出力1.7GWe)を建設中ですが、このうち1号機(570MWe)が来年2月に運開予定です。これにより苫小牧に集中している発電所が石狩湾岸に分散されます。また、北本連系線の増強も2019年に完成し、現在の600MWeから900MWeに増強されます。

 現状では完成は2030年と予定されていますが、石狩湾新港発電所が3号機まで完成すると、苫東厚真発電所と同等の容量の発電所が石狩湾岸に分散され、また天然ガス火力は出力調整能力を持ち、起動特性も良好です。なお、天然ガス火力発電所は着工後3年で完成できます。

 北海道電力は泊発電所の再稼働に経営資源を配分してきた為に石狩湾新港発電所への投資が遅れており、今回のブラックアウトは投資判断の誤りの結果と考えることも出来ます

 冒頭のTweetの要約を再掲します。

”こういう脆弱な状況がずっと続いてきた

 恐れていた事態が遂に起こった

 発電所が一つ停止しただけで破綻する状況が異常だ

 泊が動いてればこういう事態にはならなかった。”

 このTweetは、発電所を乾電池と勘違いしています。実際には、三相交流の同期を厳密に維持せねばならず、泊発電所のような大出力で、出力追従が出来ず、出力調整には新たな適合性審査の必要な原子力発電所は現状の北海道電力の送電網の持つ脆弱性を更に大きくしてしまいます。むしろ、そのような脆弱性を持つ発電網に原子力発電所を接続することは、多重防護の考えに反します。多重防護は原子力安全の大黒柱です。このTweetはその大黒柱にシロアリを住まわせるような危険な発想です。このような考えは、最悪、原子炉を爆発させてしまいます。

 北海道は、風力発電にきわめて好適です。また、炭層メタン(コールベッドメタン:CBM)と呼ばれる合衆国始め諸外国ではとっくに実用化している天然ガスが閉山した炭坑に豊富に存在します。更に、ロシアのサハリンからの天然ガス輸入に好適であり且つ資源がだぶついているアラスカ産の天然ガス輸入にも好適な位置にあります。天然ガスは有効な資源として来世紀いっぱい持つほどに豊富にあり、現在世界は新・化石資源革命と呼称できるほどの大変革に見舞われています。

 天然ガス火力は、出力300~600MWeが主力であり、北海道電力の送電網に丁度よい発電規模を持ちます。無理な大出力化をしなくても十分にやすいのです。

 北海道電力は過去100年間「常敗無勝」を誇る日本のエネルギー政策に翻弄されてきました。その結果が今回の北海道大停電です。この停電がもしも冬に起きていればたいへんな数の凍死者が生じていました。もはや常敗無勝路線から脱せねばならないと私は考えます。

『コロラド博士の「私はこの分野は専門外なのですが」』番外編2

<文/牧田寛 Twitter ID:@BB45_Colorado>

まきた ひろし●著述家・工学博士。徳島大学助手を経て高知工科大学助教、元コロラド大学コロラドスプリングス校客員教授。勤務先大学との関係が著しく悪化し心身を痛めた後解雇。1年半の沈黙の後著述家として再起。本来の専門は、分子反応論、錯体化学、鉱物化学、ワイドギャップ半導体だが、原子力及び核、軍事については、独自に調査・取材を進めてきた。原発問題についてのメルマガを近日配信開始予定

転載元: たたかうユニオンへ!

10・21国際反戦デー闘争へ

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若き執行部が率いる全学連のもと
改憲阻止の先頭に立とう
共に10・21国際反戦デー闘争へ
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(写真 多くの初参加者とともに新たな執行部を打ち立てた全学連大会【9月2日 東京都内】)

 9月1〜2日に行われた全学連第79回定期全国大会の成功は、高原恭平新委員長(東京大2年)・加藤一樹新書記長(京都大1年)を軸とした新執行部の登場に象徴されている。全学連は改憲阻止・大学の商業化粉砕を掲げ、この時代に学生運動を爆発させる運動主体の確立を達成した。それは、大会の過程において若い学生たちが議論を終始リードしたことにも示されている。共に10・21国際反戦デー闘争に立ち上がろう!

新執行体制が社会に衝撃

 東大・京大という日本帝国主義の支配を担う軸となる大学からの若き執行部の登場は、すさまじいインパクトを社会に与えている。ネットメディア「AERAdot(アエラドット)」は高原委員長へのインタビュー付きで全学連新執行部の登場を報じ、このニュースはわずか1日で約20万回も見られて「注目記事ランキング」の1位を獲得した。社会的注目はますます広がりを見せており、この機運をさらなる運動の発展と組織化につなげる挑戦もただちに始まっている。
 そして何より、全学連大会の成功自体が安倍政権の改憲策動への巨大な反撃だ。労働組合をはじめとして労働者民衆の団結を解体し、抵抗力を奪うことと改憲は一体の問題だからだ。かつて国鉄分割・民営化について中曽根元首相は「お座敷をきれいにして立派な憲法を安置する」と述べたが、「お座敷」はきれいにならなかった。全学連は闘って生き残り、学生運動の復権へ力強く進んでいるのだ!

大学と学生の現実に肉薄

 大会では、2000年を前後して激化した「大学改革」、約20年にわたる新自由主義下の大学との攻防の総括が確立された。困難と犠牲に満ちたこの闘いは、何よりも運動主体の確立・発展をかちとった。帝国主義の危機が深化し大学をとりまく条件が変わり、大学の就職予備校化・国家権力や資本との癒着が一挙に進行する中で、法大闘争を軸とする全学連の決死の闘いが階級的労働運動と共に進み、学びながら、学生運動を闘う立場と運動論の再確立を果たした過程だった。
 その地平は、15年京大反戦バリストへの決起----時代に立ち向かって分岐を恐れない気概と、拠点攻防の最先頭に立って柔軟に闘い学生の団結の中心となる挑戦に、何よりも先輩から後輩へ引き継がれながら発展してきた全学連の活動家たちにあらわれている。国家権力・資本の先兵として弾圧に励む連中、資本主義社会に屈服して「現実」の前に頭(こうべ)を垂れる連中には、われわれがかちとったこの地平は決して理解できないだろう! 新自由主義は支配階級の側にカネと権力に頼る腐敗を生み出した一方、闘う主体の側に革命をもたらしたのだ。
 さらに大会は、改憲をめぐる攻防が「戦争か革命か」を問う時代との対決であることをはっきりさせた。方針をめぐる論議では新委員長の高原君が、東大教養学部自治会での自らの経験も総括しながら提起を行った。故陶山健一同志や動労千葉前委員長の故中野洋同志の著作からも引用しながら、新自由主義下の大学のあり方、そこで生きる学生の主体と格闘してつくられた圧巻の提起は、彼が全学連委員長に選ばれた重要な根拠でもあった。

革命たぐりよせる闘いを

 私たちは「最後の決戦の時代」(高原君)にいる。
 一方では今の時代に違和感を感じ、支配階級が敷いたレールを外れて闘いを開始する若者はますます増えていく。他方で「戦争」と「革命」、どちらも帝国主義の危機という同じ原因から生まれる二つの極が渾然(こんぜん)一体となって多様な形で私たちの前に表れる。米国大統領選でトランプが約7割の得票をしたウェストバージニア州から教育労働者の大ゼネストの火がついたように!
 すべては私たち自身の決断と目的意識、矛盾と向き合って階級的団結を組織する努力にかかっている。「改憲・戦争阻止!大行進」運動とは、まさしくこの挑戦だ。
 全学連は10・21国際反戦デー全国一斉行動―臨時国会開会日闘争―11・4全国労働者集会を闘いぬき、改憲阻止決戦の先頭に立つ。すべての学生は全学連と共に改憲・戦争国家化を阻止し、革命をたぐりよせるために闘おう!
〔革共同中央学生組織委員会〕

------------------------------------------
10・21国際反戦デー
 10月21日(日)
 午後0時30分 日比谷公園中幸門集合
 午後1時 銀座方面へデモ出発
 主催 全日本学生自治会総連合

[転載]10・21国際反戦デー闘争へ

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改憲阻止の先頭に立とう
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 9月1〜2日に行われた全学連第79回定期全国大会の成功は、高原恭平新委員長(東京大2年)・加藤一樹新書記長(京都大1年)を軸とした新執行部の登場に象徴されている。全学連は改憲阻止・大学の商業化粉砕を掲げ、この時代に学生運動を爆発させる運動主体の確立を達成した。それは、大会の過程において若い学生たちが議論を終始リードしたことにも示されている。共に10・21国際反戦デー闘争に立ち上がろう!

新執行体制が社会に衝撃

 東大・京大という日本帝国主義の支配を担う軸となる大学からの若き執行部の登場は、すさまじいインパクトを社会に与えている。ネットメディア「AERAdot(アエラドット)」は高原委員長へのインタビュー付きで全学連新執行部の登場を報じ、このニュースはわずか1日で約20万回も見られて「注目記事ランキング」の1位を獲得した。社会的注目はますます広がりを見せており、この機運をさらなる運動の発展と組織化につなげる挑戦もただちに始まっている。
 そして何より、全学連大会の成功自体が安倍政権の改憲策動への巨大な反撃だ。労働組合をはじめとして労働者民衆の団結を解体し、抵抗力を奪うことと改憲は一体の問題だからだ。かつて国鉄分割・民営化について中曽根元首相は「お座敷をきれいにして立派な憲法を安置する」と述べたが、「お座敷」はきれいにならなかった。全学連は闘って生き残り、学生運動の復権へ力強く進んでいるのだ!

大学と学生の現実に肉薄

 大会では、2000年を前後して激化した「大学改革」、約20年にわたる新自由主義下の大学との攻防の総括が確立された。困難と犠牲に満ちたこの闘いは、何よりも運動主体の確立・発展をかちとった。帝国主義の危機が深化し大学をとりまく条件が変わり、大学の就職予備校化・国家権力や資本との癒着が一挙に進行する中で、法大闘争を軸とする全学連の決死の闘いが階級的労働運動と共に進み、学びながら、学生運動を闘う立場と運動論の再確立を果たした過程だった。
 その地平は、15年京大反戦バリストへの決起----時代に立ち向かって分岐を恐れない気概と、拠点攻防の最先頭に立って柔軟に闘い学生の団結の中心となる挑戦に、何よりも先輩から後輩へ引き継がれながら発展してきた全学連の活動家たちにあらわれている。国家権力・資本の先兵として弾圧に励む連中、資本主義社会に屈服して「現実」の前に頭(こうべ)を垂れる連中には、われわれがかちとったこの地平は決して理解できないだろう! 新自由主義は支配階級の側にカネと権力に頼る腐敗を生み出した一方、闘う主体の側に革命をもたらしたのだ。
 さらに大会は、改憲をめぐる攻防が「戦争か革命か」を問う時代との対決であることをはっきりさせた。方針をめぐる論議では新委員長の高原君が、東大教養学部自治会での自らの経験も総括しながら提起を行った。故陶山健一同志や動労千葉前委員長の故中野洋同志の著作からも引用しながら、新自由主義下の大学のあり方、そこで生きる学生の主体と格闘してつくられた圧巻の提起は、彼が全学連委員長に選ばれた重要な根拠でもあった。

革命たぐりよせる闘いを

 私たちは「最後の決戦の時代」(高原君)にいる。
 一方では今の時代に違和感を感じ、支配階級が敷いたレールを外れて闘いを開始する若者はますます増えていく。他方で「戦争」と「革命」、どちらも帝国主義の危機という同じ原因から生まれる二つの極が渾然(こんぜん)一体となって多様な形で私たちの前に表れる。米国大統領選でトランプが約7割の得票をしたウェストバージニア州から教育労働者の大ゼネストの火がついたように!
 すべては私たち自身の決断と目的意識、矛盾と向き合って階級的団結を組織する努力にかかっている。「改憲・戦争阻止!大行進」運動とは、まさしくこの挑戦だ。
 全学連は10・21国際反戦デー全国一斉行動―臨時国会開会日闘争―11・4全国労働者集会を闘いぬき、改憲阻止決戦の先頭に立つ。すべての学生は全学連と共に改憲・戦争国家化を阻止し、革命をたぐりよせるために闘おう!
〔革共同中央学生組織委員会〕

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10・21国際反戦デー
 10月21日(日)
 午後0時30分 日比谷公園中幸門集合
 午後1時 銀座方面へデモ出発
 主催 全日本学生自治会総連合

転載元: たたかうユニオンへ!

五輪を口実にただ働き強いる

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「ボランティア」は勤労動員
      
五輪を口実にただ働き強いる


 2020年東京オリンピックの「無償ボランティア」募集が始まる。会場内などでの案内、競技運営や移動のサポート、海外要人接遇などに携わる「大会ボランティア」が8万人、東京都などが募集し会場への案内などに携わる「都市ボランティア」が3万人であり、合計11万人もの無償ボランティアは過去最大だ。別途に中・高生枠も設けられる。これはオリンピックを振りかざし、学生・労働者を無償労働に駆り出す「勤労動員」であり、戦時の国民総動員を狙った攻撃である。職場・大学から絶対反対の声を上げよう。

無償で働かせて企業は大もうけ

 組織委や都は無償労働を前提としているが、「ボランティア」という言葉に無償労働という意味はない。しかもその内実はとんでもないものだ。40度にも迫る酷暑の中、1日8時間、10日以上の労働と研修への参加を求められ、滞在費や交通費も自己負担(高まる批判を受けて1日1000円分のプリペイドカードのみ支給となった)。事故やけがをしても労災すら適用されない。これは安倍政権が進める「雇用関係によらない働き方」を先行実施し、改憲と一体で労働基本権を根こそぎ奪いとる攻撃だ。
 小池百合子東京都知事は9月21日の会見で、「ブラックという批判もあるが」との記者の質問に対し「何をもってブラックと言うのか、私にはよくわかりません」とうそぶいた。
 労働者に無償労働を求める一方、五輪組織委にはスポンサー企業からの協賛金やテレビ放映権料として途方もない金が流れ込む。今回の東京五輪はこれまでの大会での「1業種1企業」の原則すら破壊したことで、組織委は過去最大となる4千億円ものスポンサー料をかき集めた。五輪マーケティングを独占する電通は巨額の利益を手にする。
 そもそも20年東京大会は招致段階から金権腐敗まみれだ。招致委員会が国際オリンピック委員会関係者に合計37億円もの賄賂を渡したとして、フランス検察が捜査中だ。金まみれの五輪で潤う張本人たちが「五輪のために無償で働くことは当然だ」というのである。

学生動員のため国が大学に要請

 国が前面に乗り出し、大学や企業にボランティア要員を確保させる事態が始まっている。14年には全国800以上の大学と組織委が連携協定を結んだ。ボランティア参加を「単位」として認定する大学も広がる。企業は参加の経験を就職活動の際の分断と評価の基準とする。事実上の「学徒動員」「徴兵」だ。
 文部科学省とスポーツ庁は7月26日、各国公私立大や高等専門学校あてに通知を出し、大学のスケジュールである学事暦の変更にまで言及して「協力」を要請した。国は通知で「学生の社会への円滑な移行促進の観点から意義がある」と強調しているが、「社会への円滑な移行」とは国や企業のために進んでただで働き、ものを言わない奴隷以下の労働力の育成だ。すでに首都大学東京、明治大学、国士舘大学などが学事暦の変更を決定している。

労働改悪・改憲とも一体の攻撃

 五輪ボランティアは、経団連の「就活ルール廃止」とも一体である。9月3日に経団連の中西宏明会長は「21年春以降に入社する学生向けの採用ルールを廃止するべきだ」と言及した。五輪ボランティア確保を「大義名分」に、現行の「6月1日面接解禁、10月内定」のルールを前倒しすることが計画されていたが、21年春入社の学生以降の全面廃止に踏み込んだ。
 戦後の「終身雇用」「年功賃金」を前提とした「就活ルール」廃止は、安倍政権の「働き方改革」、戦後労働法制解体攻撃そのものだ。あらかじめ能力主義で分断し、総非正規職化と労働組合のない企業、社会を目指す攻撃である。
 安倍が20年東京五輪にかけた狙いは「原発事故による放射能汚染と健康被害はなかった」という大うそを宣伝することだ。愛国心を扇動し、闘う労働組合を一掃し、20年新憲法施行を狙う攻撃と一体だ。これに国民を総動員するボランティア攻撃を絶対に許してはならない。労働者・学生はボランティアを拒否し、闘う労働組合と学生自治会のもとに団結を取り戻し、安倍打倒、改憲・オリンピック粉砕へ立ち上がろう。

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