ペク・ナムギ農民追慕文化祭、「解剖検査は必要ない」
警察が遺体の解剖検査令状を申請…対策委、警察の強制解剖検査を憂慮、連帯を呼び掛け
キム・ハンジュ記者 2016.09.25 23:27
▲ソウル大病院葬儀場に整えられたペク・ナムギ農民の遺体安置所[写真/ジョンウン記者]
ペク・ナムギ農民が317日間の死闘の末に亡くなった。 葬儀場に集まった800余の市民は朴槿恵(パク・クネ)政権の責任を最後まで問うと決議した。
▲ペク・ナムギ対策委がソウル大病院葬儀場入口で追慕キャンドル文化祭を開いた[写真/ジョンウン記者]
ペク・ナムギ対策委は午後7時半、ソウル大病院葬儀場の前で故ペク・ナムギ農民追慕キャンドル文化祭を開いた。 先立って対策委と市民は危篤の知らせが伝えられた24日の夜からソウル大病院の入口に集まり、 解剖検査を主張して押しかけた警察に抵抗し、故人の遺体を守った。
キャンドル文化祭で対策委のキム・ジョンヨル執行委員長は「317日間、私たちの胸にいらっしゃった一人の農民を今日送った。われわれは悲しむ前に、ここで二度とこうした農民と国民が出てこない国を作ると宣言する」と伝えた。
続いて4.16セウォル号惨事家族協議会のユ・ギョングン執行委員長は「セウォル号惨事1周年の様子また見るようだ」とし「皆さんは単に追慕のためにきたのではないと思う。これ以上、私たちの父母や子供たちがこんなことを体験してはいけないので、 世の中を変え、押し倒し、ひっくり返すためにきたと考える。そうしなければ304人のセウォル号犠牲者とペク・ナムギ農民に後で一言かけられない」と声を高めた。
▲ソウル大病院葬儀場安置室に入る故ペク・ナムギ農民[写真/ジョンウン記者]
公共運輸労組医療連帯本部のヒョン・ジョンヒ ソウル支部長は「昨日私が取ったペク・ナムギ農民の手は、皆さん手と同じように暖かかった。 顔はとてもきれいだった。そんなお年寄りが行かれたので、今は悲しみより怒りを感じる」とし「昨年11月14日に放水銃を受けてすぐ応急室に行っていれば、このように亡くなったりはしなかっただろう。 国民の生命を古草履を捨てるように対する政府は大韓民国の政府ではない」と訴えた。
ヒョン・ジョンヒ支部長はまた「今、数百人の警察を投入するのではなく、朴槿恵大統領と姜信明(カン・シンミョン)警察庁長官が謝罪に来るべきではないのか。もう彼らは政府であることを自ら放棄した」と主張した。
トブロ民主党の朴柱民(パク・チュミン)議員は「解剖検査は必要ない」とし「ペク・ナムギさんが倒れた当日、ソウル大病院で脳手術をした。また、300日間、国内最高の医療スタッフによる診療を数回受けた。だが検警の強制解剖検査の試みは、お年寄りに対して公権力を乱用するという意味だ」と警察を糾弾した。
▲ペク・ナムギ対策委と市民、そして警察が対峙している[写真/ジョンウン記者]
警察はこの日の午後7時半まで、ペク・ナムギ農民の遺体安置所が整えられた葬儀場を取り囲み、 弔問客や病院関係者の出入りを止めた。 経歴を撤収させろという市民の継続的な抗議の末に、警察は7時半頃に一部が撤収した。この過程で市民と警察が衝突し、ある記者が警察に押されて頭と右足に怪我をし、応急運ばれた。
▲ソウル大病院葬儀場近隣を防いでいる警察[写真/ジョンウン記者]
市民たちは追慕祭で「朴槿恵は謝罪しろ」、 「責任者を処罰しろ」、「ペク・ナムギを生き返らせろ」といったシュプレヒコールをあげた。8時半頃に追慕祭が終わり、市民らは弔問室に移動した。
ペク・ナムギ農民は9月25日午後2時頃、ソウル大学校病院で息をひきとった。 彼は昨年11月14日に米輸入反対、米価保障のための全国農民大会、民衆総決起で警察の直射放水銃を受けて倒れ、317日間意識を失ったまま集中治療室で苦痛の時間を送った。
「解剖検査、発病の原因を患者の疾患にする底意ではないのか」
警察は死因を明らかにするために解剖検査が必要だという立場を固守しており、議論が続いている。ソウル大病院はペク・ナムギ農民の死亡の原因を急性心不全による病死だと明らかにした。
しかし人道主義実践医師協議会(人医協)は25日に意見書を出し、ペク・ナムギ農民の死は「警察の放水車の水圧、水力により加えられた外傷による外傷性脳出血と、 外傷性頭蓋骨節のため」とし、死亡原因は明白だと主張した。
また、解剖検査に対しても人医協は「317日間、集中治療室に入院していた過程で、 院内感染や臥牀状態および薬品投与による合併症で多発性臓器不全状態であり、 外傷部位は手術的治療や全身状態の悪化により変形された可能性が非常に高いので、 死亡宣言後に死因を明らかにするために解剖検査をすることは不必要だ」と明らかにした。また「家族が解剖検査を望んでいないのに、こうして発病の原因が明白な患者に対して解剖検査を云々するのは、 発病原因を患者の基底疾患に追い込む底意があるのではないかという常識的な疑いを持たせる」と提起した。
警察は25日夜、 遺体解剖検査令状を検察に申請している。
ペク・ナムギ農民の遺体安置所はこの日の午後6時半にソウル大病院葬儀場3階1号室に整えられた。 市民の弔問の行列が続いている。 対策委は謝罪や責任者の処罰があるまで葬儀は行えないと明らかにした。
▲検視のために安置室に移動する検察と警察[写真/ジョンウン記者]
対策委は警察の令状申請により、9月25日夜、26日の未明を警察の進入の起点と見て、 市民の連帯を訴えている。また毎日午後7時にソウル大病院葬儀場の前でキャンドル集会を開く計画だ。
▲ペク・ナムギ農民の遺体が車両に載せられた[写真/ジョンウン記者]
▲葬儀場入口で開かれたキャンドル文化祭で追慕客らがあなたのための行進曲を歌っている[写真/ジョンウン記者]