以下、昨日行われたストライキ行動のご報告です。ご支援いただいた皆様には心より感謝申し上げます。東部労組個人タクシー協同組合新東京職員支部がストライキ決行! 支部長・副支部長はパワハラをやめろ!不当労働行為をやめろ!東京・墨田の個人タクシー乗務員らでつくる「東京都個人タクシー協同組合新東京支部」で雇用されている女性の事務職員7人で結成した労働組合「全国一般東京東部労組個人タクシー協同組合新東京職員支部」は2016年9月5日、森支部長と宮口副支部長のパワハラや不当労働行為などに抗議し是正するためのストライキ行動に立ち上がりました。職員らは同5月30日に労働組合を結成し、同6月24日に使用者である森支部長と宮口副支部長に組合結成を申し入れ、パワハラや不当な賃金カットなどの是正を要求しました。しかし、森支部長と宮口副支部長は反省するどころか、職員に対して労働組合法違反の不当労働行為をくり返してきました。協同組合新東京支部の支部員(個人タクシー乗務員)に呼びかけて支部長と副支部長の解任を求める署名を職員が集めたところ、440人のうち過半数を大きく上回る288人の署名が寄せられました。しかし、それでも支部長らは臨時総会を支部員が集まりにくい日に設定するなど、姑息な手段で自分たちの立場を守ろうと画策しています。そこで職員らは自分たちの雇用環境を改善し、尊厳を守るため、初めてのストライキを決行することになりました。同日は協同組合新東京支部の支部員を対象とした業務講習会が墨田区の曳舟文化センターで開かれることから、職員は受付などの業務をストライキで放棄し、乗務員に向けて支持を呼びかける宣伝行動に取り組みました。平日の日中であるにもかかわらず、東部労組各支部と友好労組などから80人の仲間が支援に駆けつけ、炎天下にプラカードや旗を掲げ、ともにシュプレヒコールをあげました。午前11時30分、同センター正面玄関前で行動を開始。職員支部の中村委員長が以下のように「ストライキ宣言」を読み上げました。「私たちはこのまま泣き寝入りするわけにはいきません。黙って引き下がるわけにはいきません。なぜなら、私たちは間違ったことはまったく言っていないからです!パワハラやセクハラをやめてほしい、誠意をもって謝ってほしい、違法な賃金カットをあらためてほしい、と言っただけです。それなのに、労働組合をつくって以降、支部長と副支部長は私たちを怒鳴ったり、恫喝(どうかつ)したり、労働組合と職員のウソや悪口を支部員さんに言いふらしたり、団体交渉の約束を破ったりしているのです。支部長と副支部長の解任を求めて、私たちが支部員さんのご協力を得て集めた多くの署名も無視する構えです。間違っているのは支部長と副支部長ではありませんか!」「彼らは常に『職員の分際で』という態度です。私たち全職員7人は絶対に許すことはできません。そのような不誠実な対応に出てくるなら、私たちも労働組合として持てる力を出すしかありません。それが本日のストライキ行動です。私たちは本日のストライキ行動を通して、もっともっと強くなりたいと思います。職場での支部長と副支部長の横暴に負けない力を得たいと思います」このように宣言した後、当該組合員と東部労組本部の須田書記長が会場に入り、森支部長に正午からのストライキ突入を通告しました。ここでも森支部長は激高したり逃げ回ったりするなど不誠実な態度に出ましたが、逆に会場の外に出て、参加者から「森支部長はパワハラを謝れ!」とシュプレヒコールを浴びる展開になりました。宮口副支部長があわてて森支部長を会場内に引き戻すなど、役員2人はうろたえました。ストライキに入った職員は、業務講習会に参加するため会場に入る個人タクシー乗務員に職員が安心して働けるよう協力をお願いする文書を手渡し、協同組合の臨時総会で森支部長と宮口副支部長の解任を議題とすることを求める署名を集めました。多数の乗務員から次々と署名が集まりました。「がんばって」と職員に声をかけたり、冷たい飲み物を差し入れてくれたりする乗務員もいました。乗務員が会場に入った午後1時からアピールを再開。職員支部の組合員は「初めてのストライキだったが、こんなに多くの人に応援に来てもらってありがとうございました。明日から、また頑張ろうと思います」「パワハラ、セクハラに負けずにこれからも頑張ります」「これだけ支援をもらって負ける気がしません」などと、一人ひとりが決意を語りました。連帯あいさつとして、東京東部地域の労働組合が加盟している「東部全労協」の雨宮事務局長、墨田区の労働組合が加盟している「墨田労組連」の岡本事務局長、葛飾区の労働組合が加盟している「葛飾区労協」の三浦議長がそれぞれ力強い支援の発言をしてくれました。このほか全労協、全国一般全国協、東京清掃労働組合、東京水道労働組合、国鉄労働組合、連帯墨田(墨田区役所の職員)など、多くの仲間が集まってくれました。東部労組本部の菅野委員長のまとめの発言を受け、シュプレヒコールを再度あげた後、職員支部の中村支部長の団結ガンバローで2時間余のストライキ行動を締めくくりました。引き続き皆さんのご支援を心よりお願い申し上げます。以下、当日のストライキ行動の動画です。<パワハラにはストライキ!~「個人タクシー事務職員」の女性たち>(レイバーネット制作)https://youtu.be/X4X1fx9VPzo<女性7人初めてのストライキ!9.5東部労組個人タクシー協同組合新東京職員支部ストライキ>https://youtu.be/3SDZLvHUplE
パワハラにはストライキ!~女性たち決起「強くなれた気がする」
怒鳴られたりセクハラ発言で苛められてきた女性事務職員7人が、5月に組合を結成し、東京東部労組に加盟した。彼女らの職場は「東京都個人タクシー協同組合新東京支部」、墨田地域の個人タクシー乗務員440人の事務作業を一手に担っている。しかし、組合をつくったものの、森支部長・宮口副支部長は反省するどころか、パワハラ・セクハラの事実を認めず、組合活動の妨害ばかり行ってきた。そのため、組合はついに9月5日ストライキを決行することにした。
この日は、乗務員全員が集まる「特別講習会」が曳舟文化センターで開かれる。ここで行動を起こすことは、組合の声を届ける絶好のチャンスだった。しかしストライキは生まれて初めて。委員長の中村未緒さんは、「胃が痛くなり眠れず心臓がドキドキだった」という。他のメンバーも表情が固く、緊張しまくっていることがよくわかった。
*森支部長(左)と東京東部労組・須田書記長
この日の「特別講習会」で彼女たちは受付業務を行うことになっていた。しかし、その始業時12時からストライキに入り業務を拒否。会場の中にいた森支部長にストライキ通告すると、森支部長は激高して取り乱してしまった。森支部長が一瞬、会場外に出てきた。そのため、集まった約80人の「パワハラをやめろ」のシュプレヒコールをまともに浴びることになった。
その後約1時間、組合の女性たちは、講習会にやってきたタクシー乗務員に声をかけ、「臨時総会で解任決議を議題に上げることを求める署名」を呼びかけた。個人タクシー乗務員は、ほとんどがシルバー世代。丁寧に話を聞いてくれる人が多く、この日だけで200人以上の署名が寄せられた。職場の全員が組合員であり、しかも支部員(乗務員)の多数が組合側についた。パワハラ幹部はいっそう孤立することになった。
こうして炎天下の2時間のストライキ行動は成功裏に終了した。涙ぐむ組合員もいた。しかし、最後のシュプレヒコールと「団結ガンバロー」では、すがすがしい笑顔になっていた。
中村未緒委員長(写真)はインタビューでこう語った。「やってよかった。組合の力ってすごいと思った。もう怒鳴られたり、背面監視されたり、信用されていない状況を終わりにしたい。明日は堂々と会社に行くつもり。みんなの支援をもらって大分強くなれた気がする」と胸を張っていた。(M)
*組合正式名 : 全国一般東京東部労組個人タクシー協同組合新東京職員支部 TEL03-3604-5983