韓国の民主労総と韓国労総を含む社会団体の共同会見文です。18日の「戦争法案」参院特別委「採決」時点でのものです。
(原文 http://goo.gl/gr6szm)
侵略と戦争の安保法案の制定・改正を強行する安倍政権を糾弾する!
朝鮮半島再侵略と対北朝鮮先制攻撃を狙う安保法案を廃棄せよ!
安倍政権が17日に参院特別委で安保法制を前触れもなしに通過させたのに続き、直ちに今日(訳注:18日)の本会議でもこれを強行採決する予定だ。日本の平和憲法と専守防衛の原則、民主主義の弔鐘が打ち鳴らされているとともに、日本軍によるアジア太平洋地域の平和の破壊と朝鮮半島再侵略の強い警告音が鳴り響いているのだ。これに対し私たちは、日本帝国主義の侵略戦争で東アジアだけで数千万人が犠牲となった日本の戦争犯罪を二度と再び許すことはできないという切迫した心情をもって、日帝による朝鮮半島の侵略と植民地支配、収奪の歴史が決して繰り返されてはならないという痛切な心情をもって、安倍政権に対して安保法制の参院強行採決の即刻中止と侵略と戦争のための安保法案の全面廃棄を強く求める。自らを軍国主義者と自認してはばからない安倍首相は日本の軍国主義と軍事大国化に熱を上げている。戦犯国日本が再び軍国主義に突き進むことを防ぐための強力なシビリアンコントロール装置であった防衛省の運用企画局を廃止し、制服組を統制してきた背広組の地位を低くすることによって制服組中心の軍国主義へのステップを整えた。また防衛装備庁を新設して武器の導入と輸出を一元化することにより、日本の軍事大国化を追求する機関を準備した。これまでの政権で凍結されたり逆に削減されてきた防衛予算は、2012年の安倍政権の発足以来3年連続で増額されている。日本の軍事大国化の要は海兵隊の創設と上陸用の武器・装備など、侵略戦争の手段の導入にある。安倍政権は海兵隊を2018年までに創設するとし、水陸両用車とオスプレイの導入を急いでいる。また戦力投入手段の軽空母1隻を2017年までに追加導入するなど、自国防衛ではない第3国を相手とする侵略戦争と上陸作戦に備えた戦力と装備の導入に拍車を加えているのだ。侵略戦争のための日本の戦力と装備の導入は侵略的な軍事演習につながっている。この5月に陸上自衛隊は初めて米豪の合同軍事演習タリスマン・セーバーに参加し、8月31日には陸海空の自衛隊が統合軍事演習ドーン・ブリッツ2015に参加して米豪などと共に上陸演習を実施し、武器と軍需物資を前線に補給する後方支援演習を展開した。このような自衛隊の後方支援演習は日米防衛協力のための指針(ガイドライン)の改訂以降に初めて実施されたもので、自衛隊の防衛予算の増額と侵略的な戦力と装備の導入が新ガイドラインの履行と、米国との集団的自衛権行使のためのものであることを端的に示している。こうした日本の軍国主義化と軍事大国化、とりわけ侵略戦争の戦略と武器導入の行き着く先が朝鮮半島にあることは今や誰の目にも明らかな事実となった。いわゆる平和安全法制整備法案などの安保法制に、自衛隊が韓国領土に入ってくるときに韓国の事前同意や承認を得るという規定はどこにもない。安倍政権が金科玉条の如く掲げる「武力行使の新3要件」だけを満たせば、自衛隊は韓国領土に進入することができる。すなわち「武力行使の新3要件」に規定された「明白な危険」なる曖昧模糊とした事態を平時、重要影響事態、存立危機事態、武力攻撃予測事態などに分類した日本政府の恣意的判断により平時から有事に至るまで、いつであれ日本人保護、軍需支援、機雷除去、戦闘捜索、北朝鮮安定化作戦などを名分として自衛隊が韓国に入ってくることができるのだ。さらに日本軍の韓国再出兵は、(連合権限委任事項CODAによって)平時から有事に至るまで韓国軍の戦時作戦統制権を握っている米国の要求と結合したとき、韓国はこれを防ぐ力とすべを失うことになる。日本とこれを牽引する米国によって私たちの主権が奪われる状況が厳然たる現実になり得るのだ。その上、日本は不法な対北朝鮮先制攻撃の意図を全面化している。日本の中谷防衛相は「法的要件を満たせば他国の領土内で(敵の)基地も攻撃できる」(2015.5.24)と語り、日本軍が韓国領土に入って北朝鮮を攻撃することも可能と主張することで韓国の主権を全面否定する発言をためらわなかった。さらに最近では、「朝鮮半島の有事に……米軍艦船と戦闘機も防護対象に拡大」可能であり、「事態の拡大抑止と早期収拾作戦を遂行する航空機などの防護措置をとることになるだろう」と日本軍の朝鮮半島での戦争への参加と実行の意志を隠そうともしていない。だがこのかん安倍政権が提示してきた集団的自衛権の行使事例は破綻しっぱなしだ。ホルムズ海峡での機雷除去や米国艦船で脱出しようとする日本人を守るために米艦を防護しなければならないという集団的自衛権行使の論理などが欺瞞的主張であると次々に暴露されているのだ。その結果、だいぶ前から日本人の間では安倍首相に「ウソつき」の烙印が押されている。今回の安保法案の参院特別委での暴力的通過の様相こそ、安保法案がいかに正当性に欠け、日本人に全面的に否定されているかを雄弁に物語っている。それにもかかわらず安倍政権があくまでも安保法制を通過させて侵略と戦争の道を歩むならば、その先にあるのは日本の未来への弔鐘のみだろう。私たちは、アジア太平洋地域が再び日本の侵略の戦場になることを、朝鮮半島に再び日本軍が侵入してくることを決して許さない。安倍政権はこうした私たちの警告を厳粛に受けとめ、軍事大国化と侵略戦争を放棄すべきことを強く要求する。
2015年9月18日境界を越えて、
国際労働者交流センター、キリスト教社会布教連帯会議、労働人権会館、労働者連帯、農民薬局、民家協良心囚後援会、民族問題研究所、民族民主烈士犠牲者追慕(記念)団体連帯会議、民族自主平和統一中央会議、民主労働者全国会議、民主民生平和統一主権連帯、民主社会のための弁護士会米軍問題研究委員会、民主守護公安弾圧対策会議、民主主義自主統一大学生協議会、民主化実践家族運動協議会、反戦平和連帯(準)、仏教平和連帯、四月革命会、社会進歩連帯、開かれた軍隊のための市民連帯、民族が一つになる運動本部、私たちの広場(ウリマダン)、民族連邦制統一推進会議、イエスを生かす、人権運動サランバン、自主統一と民主主義のためのコリア連帯、全国農民会総連盟、全国民族民主遺家族協議会、全国民主労働組合総連盟、全国民主化運動遺家族協議会(社)、全国貧民連合、全国女性農民会総連合、全国女性連帯、全国学生行進、全泰壱労働大学、全泰壱財団、祖国統一汎民族連合南側本部、統一広場、統一の道、平和と統一を開く人々、平和在郷軍人会、韓国労働組合総連盟、韓国進歩連帯、韓国青年連帯、21世紀韓国大学生連合、ソウル進歩連帯、京畿進歩連帯、光州進歩連帯、全南進歩連帯、慶南進歩連合